今回は、高校3年生の息子さんを持つママからのご相談で、自分中心で他人の気持ちに無頓着な息子さんとの生活に疲れを感じ、大人になったときにうまくやっていけるのか心配されているとのこと。親子の関係をどのように築いていけばよいのかなど、専門家の方にアドバイスをいただきました。
このお悩みにアドバイスをくれたのは…
漢那 初美先生
〈監修者プロフィール〉
幸せに生きる大人の姿が子どもの未来を切り開くという視点から、脱おりこうさんをテーマに、人生支援コーチを行っている。2021年まで14年間沖縄県立高校教師として、のべ1500名の生徒の願いや行動力を引き出してきた。教育相談担当として学校生活で困りごとを抱える生徒・保護者の相談に乗るだけでなく、自身の娘の不登校とも向き合うことで、本当の子供の幸せについて向き合い続けてきた。沖縄県出身沖縄県在住。中2、小5の娘の母。いこーよ子どもコーチング認定コーチ。教育コミュニケーションマスター。珊瑚舎スコーレ高等専修学校講師。Plus Canna株式会社取締役。デジタルはるさー協同組合役員。
<相談内容>
高校3年生の息子についてです。自分のことが最優先で人の気持ちに無頓着なため、一緒に生活しているとくたびれてしまいます。どんなにこちらの気持ちや大変さを伝えても伝わりません。学校は楽しく過ごし、友人関係も良好で、とくに困っていたり集団で孤立しているような様子はありません。ただ、このままだと将来、職場や家族を持ったときなどに周りに迷惑をかけるのではと心配です。どう育てたら良かったのでしょうか。今からでも何かできることはあるのでしょうか。
個性を違う角度から見直してみる
お母さまは、お子さんの性格が将来、問題を抱えてしまうのではないかとお悩みですが、むしろ、お子さんは「自分の意志をしっかり持ち、周りに左右されず自分の考えを貫ける力を持っている」とも捉えることができます。
これは、例えば起業してビジネスをする際などには、非常に重要な資質です。新しいプロジェクトを進めたり、誰もやっていないことに挑戦したりするときは、周りから理解されないことも多く、反対されることもあります。しかし、そういった状況でも自分の信じる道を進み、新しいサービスや価値を生み出していける。そういう意味では、自分の気持ちを大切にし、やりたいことを実現できる力を持った、立派な青年に育っていると感じます。
社会では「協調性が大事」「友だちが多い方がいい」といった価値観が重視されがちです。しかし実際には、親友が一人いれば十分な人もいれば、一人の時間を大切にして、必要なときだけ人と関わるタイプの人もいます。子どもの頃は「協調性が足りない」と心配されることもありますが、大人になれば、それぞれの個性として尊重されるようになります。
経験を通じて成長する
けっして一概には言えないのですが、男の子はとくに、予防的に動くのが苦手な傾向があります。例えば私が担当した生徒で「このままだと留年するから課題を出して」と何度働きかけても、なかなか行動を変えてくれない生徒がいました。しかし、実際に留年や退学の危機に直面して初めて、「ちゃんとやらないといけなかった」と気づき、次の年から見違えるようにがんばる生徒をたくさん見てきています。
息子さんも、現時点では学校生活を楽しく過ごし、友人関係も良好で、とくに困っていないため、お母さまが何度言っても大きな変化は見られないかもしれません。
ただ、社会に出れば、いずれ何かしらの壁にぶつかることはあるかもしれません。でもそのときこそ、本人が自身の課題に向き合い、成長していく機会になります。親として心配になる気持ちはよくわかりますが、それはお母さまが解決すべき課題ではなく、息子さん自身が経験を通して学んでいくのではないでしょうか。
一度子どもに任せきってみる
そして、気になるのは、お母さまご自身の状況です。「一緒に生活しているとくたびれる」という言葉からは、お母さまがかなり我慢をしながら、お子さんや家族に合わせて生活している様子が伝わってきます。
しかし、お母さまのやりたいことや希望も大切にし、もっと「自分のペース」を優先してみてもいいかもしれません。
例えば、私の家では、中学2年生の娘が朝なかなか起きられず、困っていました。話し合いの結果「自分で起きる」と約束したものの、実際には起きられません。そこで私は、自分の仕事を優先し、あえて娘を起こさずに出勤することにしたんです。それを3日ほど続けていると、娘から「1回だけでいいから起こしてほしい」とお願いされました。こうして「1回だけは起こす」というルールに落ち着いたのです。
このように、子ども自身が困った状況に直面したり、親の立場や状況を理解できるようになったりすることで、自分でどうすればよいかを考えるきっかけになることがあります。お子さんの自主性に任せ、少し距離を置いてみるのも一つの方法かもしれません。
自身の気持ちを大切に
人を変えることは難しいものですが、自分のことに集中していると、子どもの些細な行動が気にならなくなることもあります。お子さんに対しても心配しすぎず「困ったら相談してね」というスタンスでいることで、良い関係につながるかもしれません。
「子どものために」「家族のために」と思って我慢しすぎると、それが大きなストレスになります。ぜひ、もっとお母さま自身の気持ちやペースを大切にし、生き生きと過ごしてください。
お話を伺って
私にも子どもがいますが、自分の子どもだからこそ心配しすぎてしまうことがよくあります。どんな子どもの性格だとしても、「個性」として受け入れ、「この子はこの子なりに成長していく」と見守ることが大切なのだなと改めて思いました。
一緒に生活する中で、こちらの気持ちを理解してくれないこと、疲れを感じてしまうことがあることも、とてもよくわかります。自分をすり減らさず、大人も「自分のペース」「自分の気持ち」を大事にすることが大切ですね。
そして、家族だからこそ、お互いに本当の気持ちを伝えあい、お互いに少しずつ寄り添う気持ちを大切にしていきたいと思いました。
幸せに生きる大人の姿が子どもの未来を切り開くという視点から、脱おりこうさんをテーマに、人生支援コーチを行っている。2021年まで14年間沖縄県立高校教師として、のべ1500名の生徒の願いや行動力を引き出してきた。教育相談担当として学校生活で困りごとを抱える生徒・保護者の相談に乗るだけでなく、自身の娘の不登校とも向き合うことで、本当の子供の幸せについて向き合い続けてきた。沖縄県出身沖縄県在住。中2、小5の娘の母。いこーよ子どもコーチング認定コーチ。教育コミュニケーションマスター。珊瑚舎スコーレ高等専修学校講師。Plus Canna株式会社取締役。デジタルはるさー協同組合役員。
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