今も昔も変わらず楽しめる「昔あそび」【あそびのたね連載】

金沢学院短期大学助教の村山大樹さんに「子どもとのあそび」を教えていただく【あそびのたね連載】もついに最終回! 最後に紹介するあそびは、糸電話、だるまさんがころんだ、影絵、輪投げ、メンコあそびの5つ。子どものころに夢中になった「昔あそび」がテーマです。子ども時代に戻って子どもといっしょにあそびましょう!

パパママからおじいちゃんおばあちゃんまで、みんなで楽しもう!

「伝承あそび」とも呼ばれる昔あそびの魅力は、世代を超えてみんなが楽しめることだと村山さんは言います。

「昔から親しまれているあそびは、あそび方やルールが極めてシンプルです。そのため、親子はもちろん、おじいちゃん、おばあちゃんもいっしょになって楽しめる懐の広さがあります。それこそが、昔あそびの魅力ではないしょうか。」

子どものころに親から教わり、そして今、自分の子どもへと伝える。夢中になってあそんだ昔を懐かしみながら、新鮮な気持ちでもう一度自分も楽しむ。そんなあそびをご紹介します!

◆糸電話

<あそび方>
紙コップを2つ用意しましょう。それぞれの底に穴を開けて糸を通し、内側からセロハンテープで留めたら、糸電話の完成です。糸をピンと張らせて、子どもと話をしましょう。糸を長くして、どこまで声が届くか試してもいいですね。

<ポイント>
糸ではなく、バネなどを使えば、声にエコーがかかって聞こえます。紙コップをプラスチックのコップにしたり、特大のポップコーンカップにしたり、使うものによって声の聞こえ方がどう変わるのか、いろいろと実験をしてみましょう。

<村山さんから一言!>
「『なんで声が聞こえるの?』という素朴な疑問、糸をたるませると聞こえなくなる不思議、それが糸電話の楽しさです。コップを持つ2人が、協力してちょうどよい力加減で引っ張り合い、糸がピンと張った状態をつくりだす。そんな、ちょっとした相手への思いやりや伝わったときの感動を感じられる、それが糸電話の魅力です。

<用意するもの>
紙コップ、糸、目打ちまたはきり、セロハンテープ

◆だるまさんがころんだ

<あそび方>
まずは大人が鬼役です。子どもに背を向けて、「だるまさんがころんだ!」と言う間に子どもは鬼に近づきます。最後の「だ!」で鬼が振り向いたときに子どもが動いていたら、つかまえることができます。鬼にタッチできたら、鬼が10数える間に遠くへ逃げましょう。そうしたら次は、子どもが鬼になる番です。

<ポイント>
「だ〜る〜ま〜さんがころんだ!」など、鬼役がリズムを崩しながら言うと盛り上がります。地域のローカルルールがあれば、ぜひ取り入れてください。派生バージョンとして「だるまさんの1日」というあそびもあります。鬼は「だるまさんが○○○した!」と言い、「○○○した!」の通りにジェスチャーをしなければアウトというルール。こちらも試してみるといいですね。

<村山さんから一言!>
子どもといっしょにいるときに、突然『だるまさんがころんだ!』と仕掛けてみましょう。子どもがピタッと動きを止めたら、あそびのスタート。唐突なはじまりに、子どものテンションが一気に高まります。『だるまさん』の部分を子どもの名前に変えて呼びかけてもいいですね。」

<用意するもの>
なし

◆影絵

<あそび方>
暗い部屋の1点につけた明かりの前に手をかざし、さまざまな形の影を壁に写します。誰もが知っている「キツネ」、開いた両手を組み合わせる「ハト」、ピースサインのように立てた人差し指と中指にお皿をあてがう「かたつむり」など、簡単なものから始めましょう。

<ポイント>
手を照らすライトは、懐中電灯やペンライトでもOK。暗い部屋であそぶというだけで、子どもはワクワクします。「これなーんだ?」とクイズにしたり、みんなで影絵のお芝居を楽しんだりしてもいいですね。

<村山さんから一言!>
影絵の魅力は、『この手の形が、こんなふうに影をつくるんだ!』という驚きです。協力してひとつの大きな影を表現したり、ちょっと難しい影絵を本やインターネットで調べて子どもに教えたりして、親もいっしょに楽しんでください。」

<用意するもの>
懐中電灯などのライト

◆輪投げ

<あそび方>
輪が的(まと)に入るように狙って投げるあそびです。輪を投げる回数を決めて、いくつ輪が入ったか競争しましょう。大人には、輪を小さくしたり、遠くから投げたりといったハンデをつけてもいいですね。細長いものだけではなく、大小さまざまな大きさの的を用意しましょう。

<ポイント>
輪は新聞紙を丸めてつくり、的はトイレットペーパーやアルミホイルの芯、人形、輪投げ台はダンボールを使ってなど、身近なものを利用してあそぶこともできます。自作する場合はカラフルに仕上げて、お祭りの屋台の輪投げのようにしてもいいですね。

<村山さんから一言!>
「大人でも的を捉えるのはなかなか難しく、つい本気になってしまいます。競技輪投げの正式なルールを調べて、本格的な雰囲気を楽しんでもいいですね。大切なのは、『本気であそぶこと』です。

<用意するもの>
輪、的になるもの(あれば輪投げ台)

◆メンコあそび

<あそび方>
画用紙を好きな大きさ・形に切り抜き、地面やダンボールの上に1人1枚ずつ置きます。自分のメンコを地面や相手のメンコに叩き付けて、風圧で裏返す「おこし」というルールが一般的です。相手のメンコの真横を狙うと、風圧で裏返りやすくなります。

<ポイント>
円の外に相手のメンコをはじき出す「はたき」、自分のメンコを相手の下にもぐり込ませる「さばおり」、机の隅にメンコを少しだけはみ出させて置き、手で端を叩いて遠くまですべらせる「すべり」など、メンコにはさまざまなあそび方があります。こちらにもぜひ挑戦してください。

<村山さんから一言!>
「『勝った方が相手のメンコを自分のものにできる』というルールもありますが、まずは純粋にメンコあそびを楽しみましょう。絵を描いたり、重くしたり、固くしたり、メンコをつくる工程を経験し、そのメンコが相手のメンコをひっくり返す、その喜びが大切です。

昔あそびには、「あそびの本質」がたくさん詰まっている

多くのあそびが現れては消えていくなか、世代を超えて受け継がれていく昔あそび。村山さんいわく、そこには「あそびの本質」があるそうです。

「昔あそびは、どれも仲間といっしょに楽しむあそびです。誰かといっしょにあそぶということは、いつの時代も変わらない大切な経験ですよね。そのなかで子どもは、人との関わり方や思いやりの大切さ、ルールを守るということなどを自然と覚えていきます。

また昔あそびは、単純でシンプルなだけに自由度が高く、そこに創意工夫の余地や、技を磨く楽しさを見いだすことができるといいます。

子どもにとっても大人にとっても「あそびは最高の学び」

子どもはあそびの天才。自分たちでルールを考え、『こうしたほうがもっと面白い』と、思いもよらないあそび方を生み出します。とくに、『輪投げ』や『メンコ』などは、技を極めることに夢中になるでしょう。一人でコツコツと磨いた技を親や友だちの前で披露する、それは最も誇らしい瞬間です。

自由な発想であそびを改良し、そのたびにおもしろくなっていく。やればやるほど上達していく。そして、人と競争したり、協力したりしながらコミュニケーション力を高めていく。そんなあそび本来の要素が詰め込まれているのが「昔あそび」です。子どもに教えたり、教わったりしながら大人もいっしょに楽しみましょう!

今回を含め、8回にわたり紹介した「あそびのたね」は全部で40個。ひとまず連載は終わりますが、40個の「たね」をヒントに、さまざまなあそびを子どもといっしょに発展させて、楽しくあそんでください。子どもにとっても大人にとっても、「あそびは最高の学び」なのです!

イラスト:後藤知江/写真:宗野歩 『あそびのたねずかん』より

<出典>

『あそびのたねずかん』(特定非営利活動法人東京学芸大こども未来研究所・著/東京書籍・発行)

『あそびのたねずかん』東京書籍公式サイトへ

お話を聞いたのは…
村山 大樹さん
文教大学大学院教育学研究科修了。幼稚園の非常勤講師を勤めた後、特定非営利活動法人 東京学芸大こども未来研究所の研究員に。株式会社バンダイ、東京学芸大学、特定非営利活動法人 東京学芸大こども未来研究所の共同研究による「それいけ!アンパンマン コドなび!」や「Disney | KIDEA」などのプロジェクトにかかわる。2016年10月からは金沢学院短期大学助教として、遊びや学びに関する研究を続けながら、次の世代の教員・保育者養成に力を注いでいる。特定非営利活動法人 東京学芸大こども未来研究所 学術フェロー。
特定非営利活動法人 東京学芸大こども未来研究所

ライター紹介
菊地 貴広
編集プロダクション・しろくま事務所(http://whitebear74.jimdo.com)代表。2014年に出版社から独立し、ファッション、グルメ、ビール、猫、タレント本など幅広く活動。2015年11月に男子が誕生し、息子に夢中。その成長を見るたびにフルフルと感涙する日々。

※2017年1月にいこーよで公開された記事の再掲です。

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