【てぃ先生に聞く】意地悪な言葉遣い、やめさせるべき?

「○○ちゃんとは一緒に遊ばなーい!」「あっち行ってよ!」言葉が達者になる幼児期、そんな意地悪な口調が増えると心配になりますよね。しつけとして言葉づかいを矯正すべきか、成長の段階として見守っていいのか…。そこで園児たちの可愛らしい言動を綴ったTwitterや書籍が人気のイケメン保育士、「てぃ先生」にお聞きしました。

意地悪な言葉すべてに悪意があるわけではない

親や先生には言わないのに…。意地悪を言うような子に育てた覚えはないのに…。なぜ!? もしかしてうちの子、性格が悪いの…!? 子どもの意地悪な言葉づかいを目の当たりにして悩んでいるママたちも多いかもしれません。でも、てぃ先生は開口一番、さわやかに言い切ります。

意地悪な言葉が出るのは、とっても自然なこと!みんなそうですよ。うちの園でも日常茶飯事です。」

性格?あんまり関係ないですね。ワンパクだから意地悪を言う、大人しいから言わない、なんてことはないです。どこかで意地悪な言葉を耳にして、面白がって真似してることがほとんど。別に悪い言葉だと思っていないんです。」

特に3歳くらいは覚えた言葉をすぐ使ってみたい時期。どんなに親が気を配っていても、周りの環境の影響を受けてしまうものだそう。

もう少し成長すると、特定のお友だちにだけ意地悪な口調になる場合もありますが、それも自我の発達段階においては仕方のないことだと言います。

「“自分”があるからこそ、好き・嫌いがあるわけで…この子、ヤだなと思って意地悪を言ってしまうんですよね。でも年長さんくらいになると『意地悪な言葉づかいって気持ち良くないな』『周りのみんなが元気なくなっちゃうな』『ママもパパもうれしそうじゃないな』と自分で気づいて、自然と直っちゃうものですよ。」

無理な矯正はNG!なぜダメなのか「考えるきっかけ」作りを

この「自分で気づく」「気づかせる」ことが何より重要、とてぃ先生。「その言葉づかい、やめなさい!」「どうしてそんなこと言うの!」と無理にやめさせようとしても、何が悪いのかわからないうちは直りません。

では、具体的に親はどう接すれば良いのでしょうか。

「残念な表情」「悲しげな顔」で気づかせる

「僕はよく、園児たちから意地悪な言葉が出たときに、ちょっと残念そうな顔をするんです。すごーく悲しそうにしてみたり。叱るより、よっぽど子どもには効きますよ。」

大好きな先生やママの感情を、子どもは敏感に感じ取るもの。意地悪な言葉が相手を不快にしたり、傷つけてしまうことを、ゆっくりと学んでいくのですね。

「自分」ではなく「大好きな○○」がどう思うか、考えさせる

「ありがちなのが、『そんなこと自分が言われたらどう思う?』って叱り方。でもコレ、子どもには通じません。だってそんなに悪い言葉だと思っていないから、自分が言われてもそんなに嫌じゃない。だから、なぜダメなのか考えないで終わっちゃうんです。」

まさにそんな叱り方をしていた!という方は多いのではないでしょうか。

「でも『今のを○○君のママが聞いたら、どう思う?』と問いかけると、深く考えるようになります。『ママは悲しむんじゃないかな?』って、自分自身ではなく、大好きな誰かに視点を移してあげる。それだけで考えるきっかけになるんです。」

ママが我が子に実践する場合は、保育園や幼稚園で好きな先生、いつも優しいおばあちゃん・おじいちゃんなどに応用してみると良いですね。

相手の良いところをさりげなく伝える

では、特定のお友だちだけに意地悪を言う場合はどうでしょうか。嫌いな子がいて当然とはいえ、相手の親の手前、放っておくわけにもいきません…。

「それなら『ママはあの子のこと好きなんだけどな』『こういうとこ、好きだな』って伝えていくだけでも、少しずつ変わりますよ。ママが好きなものって子どもも自然と好きになることが多いですから。」

ポイントは、決して「あなたも好きになりなさい」「仲良くしなさい」と強制しないこと。時間はかかっても「(嫌いな)あの子って、そういういい所もあるのか…」と気づかせてあげることが大事だそうです。

子どもの将来を考えるなら、自分からやめられるように手助けを

そもそも意地悪な言葉づかいをなぜやめさせたいのか。世間体や相手の親御さんとの関係を気にしている部分もあるかもしれません。でも、本当に子どもの将来を思うなら、「なぜダメなのか、考えるきっかけ」をたくさん作ってあげてほしいと先生は話してくれました。

「幼児期に、コレはダメ、アレはダメ、ソレもダメ…と無理にやめさせたところで、ダメな理由がわかっていないと、独り立ちしたときに善悪の判断ができません。でも、自分で考えてやめた方がいいなって思ったことは、経験として残る。時間はかかっても意味があるんです。」

そして、悩めるパパママへの温かいメッセージもいただきました。

「我が子の意地悪な言葉づかい、気になってしまうかもしれません。でも、ずーっとそのままじゃないですから!もっと気楽に構えていきましょうね!」

保育のプロにそう言ってもらえるだけで、少し楽になりますよね。

お話を聞いたのは…
てぃ先生
関東の保育園に勤める男性保育士。ツイッターで保育園の日常をつぶやき続け(@_HappyBoy)、フォロワー数は43万人(※)超に。著書『ほぉ…、ここが ちきゅうの ほいくえんか。』、『ハンバーガグー!』(いずれもKKベストセラーズ)のほか、原作を担当するマンガ『てぃ先生』(KADOKAWA)も好評。オフィシャルブログや子育て関連のメディア、各地での講演会で、子育てや保育に関するポジティブなメッセージを発信。ちなみにアラサー・未婚、猫と二人暮らし。 ※共に2018年1月現在。
てぃ先生 オフィシャルブログ
てぃ先生 Twitter

ライター紹介
金子 陽子
1976年生まれ。3年間のOL生活を経てコピーライター、編集ライターの道へ。連日終電ときどき徹夜の会社員生活に限界を感じた36歳の夏、待望の娘を授かり、独立。いい歳をして人見知りながら人物インタビューは大好き! 大抵その人のファンになる。いまだに3歳の娘のお肉が赤ちゃんみたいにフニフニで癒される。

※2016年9月にいこーよで公開された記事の再掲です。

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