正しい鉛筆の持ち方できれいな字が書けるって本当!?

小学校に入学するとまず鉛筆の持ち方を教わりますが、きれいな字を書くことと持ち方には関係があるのでしょうか?そもそも正しい持ち方って?字の美しさと鉛筆の持ち方は関係するのか、また正しく鉛筆を持つためのコツなどを「いろは塾【硬筆書写】」を主宰する伊藤こづゑさんに伺いました。

汚い字の原因は鉛筆の持ち方・動かし方?

子どもが書いた字を見て、「汚い」「下手」「雑」などと感じることはないですか? まだ生まれてから数年しか経っていないのですから、字をうまく書けないのは当然ですが、とはいえ親としては気になるもの。

「いろは塾」主宰の伊藤こづゑさんによると、子どもが字をうまく書けないのには、いくつか原因が考えられるそうです。

原因1:鉛筆の持ち方と動かし方を理解できていない

『鉛筆で書く』ということは『鉛筆を持つ』と『鉛筆を動かして線を引く』という2つの動作から成り立っています。」

まず鉛筆を正しく持つことによって、手の中で鉛筆を軽く動かすことができるので、自分のイメージ通りの線がラクに引けて字の形を整えやすくなります。

また、文字を書くには、鉛筆を縦方向と横方向に自由に動かして線を引いて書きますが、四方に鉛筆を自由に動かすには練習が必要です。学校では、鉛筆を持つ練習をした後に、そのまま文字を書くことに移ってしまうことが多く、その動きを練習できていないケースが多く見られるのです。」

原因2:低学年以下の場合、体が未熟で力が弱いことも一因

さらに10歳以下であれば別の原因も考えられます。

「教室で皆さんの持ち方を拝見してわかったのは、小学校低学年までの子どもの多くは、どんなにがんばっても鉛筆を上手に持って書くことが難しい、ということです。なぜなら鉛筆を正しく持って書くほどには体が発達していないから。体幹が安定していないと腕や指先に入る力の調整が難しいといわれていますし、指先の力もまだ弱く、親指の付け根ではさんで握りこまないと鉛筆が安定しないのです。」

テクニックだけの問題でもないんですね。

「『鉛筆の持ち方は小学校入学前に』などと言われ、できずに焦ってしまうお母さんが大勢いらっしゃると思いますが、それは難しいことだということをぜひ理解してほしいです。」

鉛筆を正しく持つ・動かす練習をしよう

これらの原因をふまえたうえで、正しい鉛筆の持ち方・動かし方をマスターする方法を教えていただきました。

持ち方と動かし方を同時に練習できる方法とは?

「えんぴつ もちかた まるいちばん」は、伊藤先生が実際に教室で教えている方法です。これは鉛筆の持ち方だけでなく、動かし方の練習にもなります。

えんぴつ もちかた まるいちばん
1)5本のゆびで マル つくったら
2)ひとさしゆびをピン!(と伸ばす) いちばん!
3)えんぴつのせて(中指の第一関節と人差し指の付け根に乗せる)
4)おやゆびおいて(親指の先と中指で鉛筆をはさむ〉
5)ひとさしゆびをペタッ! とのせる(人差し指の先は親指より前方に)
6)じゅんびたいそう グー!(鉛筆を持ったまま5本指全部を曲げる)
7)パー!(鉛筆を持ったまま5本指全部を伸ばす)
8)グー! パー!(6、7の繰り返し)

えんぴつ もちかた まるいちばん

この一連の動きを覚えて、鉛筆を持つたびに実践できるといいですね。

実際に文字を書くときには、親指の第1・第2関節ともに曲がっている状態で、指先をしっかり鉛筆にあて、指の曲げ伸ばし(縦方向)と、手首を支点に手を左右に振る動き(横方向)を組み合わせて鉛筆を動かします。読みやすい濃さの線が書けるように、筆圧を調整する練習も大切です。

机といすの高さを整え、正しい姿勢で書く

さらに座る姿勢にも気をつける必要があります。

「まず机といすの高さを調整します。机が高すぎて肩が上がっていませんか? 足が床につかずにブラブラしていませんか?両腕はハの字の形で机に置き、自分の中心より右側(左利きの方は左側)の位置で書くことが大切です。鉛筆の芯が見えるかどうかを目安に、身体をまっすぐし、腕の位置や手首の角度などを改めましょう。」

机やいすの高さは、成長に合わせてきちんと大人がチェックしてあげるといいですね。

きれいに書くには、手・目・頭がポイント

では、鉛筆の持ち方と動かし方、姿勢以外に、字を美しく書くためのポイントはあるのでしょうか?

きれいな字と自分の字をよく見て比べることです。自分の字のどこを変えたらもっと魅力的になるかを見つけて、自分で赤鉛筆を持って、先生になった気分で直してみましょう。自分の字を客観的に見ることができるので、子どもにもとても効果的ですよ。」

「また、きれいな字のルールを理解することも大切です。『きへん』『いとへん』『ごんべん』などの右端は、凸凹させずそろえて書くこと。漢字を大きめに、ひらがなを小さめに書くと全体のバランスがよくなること、漢字と漢字の間は広く、ひらがなとひらがなの間は狭く書くとまとまって見えるなど、いくつかの決まりごとがあるので、それらを意識して書くときれいに見えます。」

「もちろん、筆順は一番大切です。正しい筆順で書くことで字形が整いますので、まずはひらがなから確実に覚えていきましょう。」

幼児期には、まず体を造りましょう

また未就学児の場合、鉛筆の持ち方や動かし方を習う前にまず体を作ることが大切だと伊藤さんは話します。

「就学前はたくさん運動をして体幹を鍛え、まずはしっかり座れるようにすることが大事なのではないかと考えています。」

「また、指先を使って物をつかむことを心がけるといいですね。第1・第2関節を曲げて指先に力を入れることを日常に取り入れていきましょう。特に大事なのは親指です。まずはスプーンで、親指が上に伸びたり、人さし指の上に乗ったりしないようないように気をつけてください。クレヨンもできれば3本の指で持てるといいですね。慣れてきたら、手首を机につけて書く練習をしてみましょう。」

鉛筆の持ち方の矯正は、高学年や中学生以上からでも遅くないとのことですが、小さいころから正しい持ち方を身につけられるといいですね。

もし、まだお子さんが小さいなら、まずは体をたくさん動かして鍛えたり、小さいものを指先でつまんだりすることから始めてみてはいかがでしょうか。

お話を聞いたのは…
伊藤こづゑさん
20代の頃から趣味で毛筆・硬筆・筆耕を習い、30代で文部科学省「硬筆書写検定」1級(指導者資格)を取得。以前は百貨店で筆耕業(のし紙などの表書きを書く仕事)に従事。2009年から狛江市にて、硬筆専門の書写教室「いろは塾」を開設。小学生から大人までを対象にした「硬筆かきかた」「実用ボールペン字・筆ペン字」クラスのほか、持ち方のお悩み相談室「ペンのもちかたクリニック」を開講中。
いろは塾【硬筆書写】

ライター紹介
衣山 泉
幼稚園児の娘、フリーライターの夫、2匹の愛猫と福岡在住。旅行も外出も大好きだが、平日は娘のお迎え以外はほぼ家にこもりっぱなしのインドア派なので、体力が追いつきません。ほしいものは、タフな体。余力のある週末には日帰り温泉や蚤の市、焼き物の里めぐりに出かけています。

※2016年4月にいこーよで公開された記事の再掲です。

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