医学・環境情報学などの有志の医師や専門家が正しい新型コロナウイルスに関する情報などを発信する「みんながヒーロープロジェクト」と「未来へいこーよ」が手を組んで、ママパパがコロナ禍で本当に知りたい正しい情報や知識を「Q&A」で紹介していきます。
今回は、小児科医の工藤紀子先生に、「子供が新型コロナにかかるとどうなるのか?」「熱が出ても解熱剤は使わない方が良いのか?」「この時期でも子供の予防接種は必要なのか?」の3つの質問に答えてもらいました。
Q.子供が新型コロナウイルスにかかるとどうなるの?
【回答者】工藤先生
「世界の誰もが初めて経験するウイルスなのでまだまだ研究段階ではありますが、今のところ新型コロナウイルスに感染した子供たちの症状は、比較的軽いようです」
「子供たちは大人からウイルスをもらっていることが多く、咳やくしゃみ、会話など飛沫からの感染と言われています。したがって、うつらない・うつさないようにするには、子供も手洗いをしっかりこまめにし、目・鼻・口を触らない、マスクをつけ、人混みを避け、人と距離をおき、部屋の換気を良くすることが大事です」
「とはいえ、報告されている数は少ないものの、重い症状の子がいないわけではありません。子供でも基礎疾患をもっている子は、特にうつらないように気をつけましょう」
Q. 新型コロナの症状がわかりにくくなるので、熱が出ても解熱剤は使わない方が良い?
【回答者】工藤先生
「解熱剤を使ったとしても症状がなくなって診断ができなくなることはありません。熱が出てだるいときは、カロナールなどのアセトアミノフェン系の解熱鎮痛剤を使ってください。熱はないけれど、頭痛や関節痛がある時も同じ解熱鎮痛剤を使って大丈夫です。熱が下がりすぎることはありません」
「『熱が出て体がだるい』という症状の時点で、新型コロナウイルスに感染している可能性があります。それに解熱剤を飲んで一時的に熱や痛みが引いても薬が切れてきたら、また症状は出てきます。熱やだるさ、頭痛を我慢しないで、安心して解熱剤をお使いください」
「アセトアミノフェン系の解熱鎮痛剤の処方薬は、飲み薬だとカロナールやタイレノールなど、座薬だとアンヒバやアルピニーなどがあります。手持ちの薬が使えるか不安なとき、薬局で買うときに分からなければ自己判断せず、薬剤師さんに聞きましょう」
Q.この時期でも子供の予防接種は必要なの?
【回答者】工藤先生
「この時期であっても、予防接種は必要です。世の中にある病気は、新型コロナウイルスだけではありません。かかると重症化しますし、感染力が高い『はしか』や、妊娠中にかかると赤ちゃんに障害が出ることがある『風疹』、『おたふく風邪』など、これらの病気は予防接種で予防することができます」
「とはいえ、心配なのは新型コロナウイルスなど、ほかの病気をもらうことですよね。病院では、熱や咳がある人と元気な人と待合室や来る時間を分けて、安心して予防接種を受けられるように工夫しているところがたくさんあります。受診する前に病院に確認し、そのように対策をしている病院を選んで受診していただければ、安心して予防接種を受けられます。防げる病気は防ぎましょう」
専門家の先生に、新型コロナウイルスや医療についてお伺いしました。ぜひ参考にしてください。

工藤紀子先生(小児科医・みんながヒーロープロジェクト専門家有志メンバー)
小児科専門医・医学博士。 順天堂大学医学部卒業、同大学大学院小児科思春期科博士課程修了。栄養と子どもの発達に関連する研究で博士号を取得。日本小児科学会認定小児科専門医/日本医師会認定産業医/日本医師会認定健康スポーツ医/こころ新橋保育園嘱託医/東京インターナショナルスクール中目黒キンダーガーデン嘱託医。 夫の仕事でアメリカに渡り子育てを経験する。現在2児の母。都内クリニックにて、年間のべ1万人の子どもを診察しながら子育て中の家族に向けて育児のアドバイスを行っている。
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