勅使河原郁恵さん

元ショートトラックスピードスケート日本代表・勅使川原郁恵さんが「子どもたちを健康にする」事業のために挑戦したこと

ショートトラックスピードスケートで3大会連続で五輪に出場、引退後はスポーツキャスターを務め、現在は二児の母で「一般社団法人ナチュラルボディバランス協会(なちゅぼ)」の代表を務める勅使川原 郁恵(てしがわら いくえ)さんにインタビュー! 子ども時代からオリンピック出場までのお話を伺った前編に引き続き、後編では引退後に挑戦した「次の夢」をはじめ、ご自身の経験を活かして子どもたちの健康を実現するために始めた「なちゅぼ」で取り組んでいることなどを伺いました。

撮影・根津理恵子

勅使川原 郁恵さん プロフィール
岐阜県出身。日本ショートトラックスピードスケート界の草分けのひとり。中学2年で全日本選手権に総合優勝し、高校1年から5連覇を達成。また、世界ショートトラックジュニア選手権においては日本人として唯一、総合優勝を果たす。3大会連続で五輪に出場し、個人・リレーで入賞するなど長く日本の中心選手として活躍した。引退後は、現役当時から目標としていたスポーツキャスターとしてメディアに出演。ショートトラックの解説・リポーターをはじめ、さまざまなスポーツに挑戦し、その分野で資格を取得。特にテレビ出演をきっかけにウォーキングでも認知度を高め、年間多数のイベントに出演する。現在は22もの資格を武器にヘルスケアスペシャリストとして幅広く活動中。

引退するときの気持ちは清々しかった

未来:現役を引退された時って。どんなお気持ちだったんでしょう?

現役を引退するときは、清々しかったんですよ。3大会五輪に出て、トレーニングでやれることは、すべてやりきったんです。それに次の夢として「スポーツキャスターをやりたい」というのもあって引退したので、進むべき道を自分で決めたからだと思います。

トリノ五輪で引退と決めていて、そのときはまだ現役バリバリなんですけど、取材にきてくれた方たちやスポーツキャスターに直接「私はスポーツキャスターになりたいんで!」とアピールしていました(笑)。

未来:それでお話がきたのでしょうか?

実際には引退後にいろんな事務所を直接訪問してお仕事をいただきました。これも「直接」的なアピールですね(笑)。

未来:スポーツキャスターになりたかった理由は?

中学1年生のときからインタビューを受ける側にいて、スポーツキャスターをされている方ってとっても美しくて内面も輝いていて本当に素敵な方が多かったんです。とくに当時スポーツキャスターをされていた雨宮塔子さんにインタビューをしていただいたときに「なんて素敵な方なんだ!」って憧れたのがきっかけです。

未来:その後、実際にスポーツキャスターのお仕事をしてみていかがでしたか?

選手の気持ちがすごくわかるので、「今聞いたらこういう答えが返ってくだろうな」と想像がついたり、逆に調子が悪い人にインタビューをするときは、「インタビューされたらきついな…」という選手の気持ちもわかるんです。なので「インタビューで質問しなくても勅使川原さんならわかっているでしょ?」って言われそうな感じで(笑)。相手の気持ちがわかるがゆえのもどかしさがありました。

未来:元選手だと聞きやすい反面、聞かずともわかる部分を一般の視聴者にわかってもらうために、あえて聞かなくてはいけない場面はありそうですね。

あと、スポーツは、とくに今起こっていることをすぐに伝えたほうがリアルでいいんです。タイミングを逃すともうダメじゃないですか。ゴールして、その瞬間にコメントが聞けなかったらもう終わりなので。それでうまく自分が動けるか。その場にいけるか。声をかけるタイミングがやっぱりすごい難しいなという。

そういう経験をすると、選手時代のときに「もうちょっと気を使って、メディアの前を通ればよかったな」と思うぐらい、本当にインタビューはタイミングなんだって思いましたね。でも、選手の気持ちもわかるし、負けたときは早く帰りたいという気持ちもわかって。

未来:華やかで素敵なスポーツキャスターは、実際にやってみると元選手だからこそシビアに感じるところがあって、でも挑戦しがいのあるお仕事だったんですね

次のページ>「健康になるために『本物』と出会えるようにした

SHARE ON
Facebook
Twitter
6歳の息子と2歳下の妻と暮らすパパで、息子が成長していくにつれて「育児が最高におもしろい!」と気づいて、某ゲーム雑誌編集部からアクトインディに入社。発達がゆっくりな息子と向き合いながら、毎日笑いの絶えない生活を送る。子育て以外ではゲームとお酒が好き。息子の影響で鉄道にも詳しくなった。

RELATED ARTICLEあなたにおすすめの記事

  1. 中2で将来を決めた江戸切子職人 清秀さんの「やりとげる力」とは【つくる人】(PR)

  2. 発達障害の人が見ている世界

    小学生なのに「順番が待てない」…発達障害の患者を多く見ている精神科医のアドバイスは?【連載第5回】

  3. 発達障害の人が見ている世界

    「寝食を忘れてゲームをばかりする子」を精神科医が「悪いことばかりではない」と語る深い理由【連載第6回】

  4. マクセルの商品企画担当者に聞く 自己肯定感を育む子ども時代の体験とは(PR)

  5. 世界で広まる「STEAM教育」ニューノーマル時代の真の学力! 「教えない」を貫く小学校の理科の授業事例(埼玉大学STEM教育センター)

  6. 妖怪博士・小松和彦先生が語る「ワクワク」と「ドキドキ」を失わない方法

  1. 発達障害の人が見ている世界

    子どもは「散らかしている」と思っていない⁉ 片付けられない人の心…

    2023.11.28

  2. 発達障害の人が見ている世界

    好き嫌いが多すぎる=食わず嫌いではない? 発達障害の子を多く診…

    2023.11.24

  3. 発達障害の人が見ている世界

    「寝食を忘れてゲームをばかりする子」を精神科医が「悪いことばか…

    2023.11.24

  4. 発達障害の人が見ている世界

    小学生なのに「順番が待てない」…発達障害の患者を多く見ている精神…

    2023.11.21

  5. 発達障害の人が見ている世界

    「小学校の授業で座っていられずにウロウロしてしまう」子どもへの…

    2023.11.20

  1. 子供と冬(12月・1月・2月)の昆虫採集 カマキリの卵・テントウム…

  2. 子どもと12月の手仕事 子供と作れる! 簡単おせちレシピ2選(伊達…

  3. “本物”のサンタさんが回答! ママパパも驚きの「秘密」大公開

  4. 【季節の絵本連載】雪だるまや雪遊び、冬に親子で読みたい絵本

  5. 子どもと12月の手仕事 コトコト煮よう!「煮豆(黒豆・金時豆)」…

みらいこSNSをフォロー