自分の課題を解決する新たな挑戦
未来:さまざまな経験を経て、現在は「感覚過敏研究所」の運営をメインに活動されているとのことですが、この活動を始めた経緯を教えてください。
ある日、父に「せっかく自分の会社を持っているなら、自分の課題を解決してみたら?」と言われたんです。そのときに思い浮かんだのが、僕自身の悩みでもある「感覚過敏」のことでした。感覚過敏というのは、視覚や聴覚、味覚、触覚など諸感覚が敏感な状態のことを言います。感覚過敏がある人は、ない人にとってはなんでもないことがとても辛いんです。たとえばLEDの光が突き刺さるように感じたり、食べ物のニオイで体調が悪くなったり…。
僕は「今をあきらめない生き方」というのを大切にしていて著書のタイトルにもしているんですが、考えてみるとこの感覚過敏を理由に諦めていることが多いことに気が付いたんです。新しい食べ物にチャレンジしたくても「どうせ気持ち悪くなる」と食べなかったり、友だちから映画やカラオケに誘われても「体調が悪くなってしまうから」と断ったり…。「今をあきらめない生き方」を発信しているのに、僕自身ができていないと気が付いてなんとかこの問題を解決したいと思ったのがきっかけです。
未来:ご自身が感覚過敏で困っていることを解決するためにも、感覚過敏研究所を立ち上げたんですね。具体的にどのようなことをされているんですか?
感覚過敏の啓蒙活動と対策商品の製品開発、研究を行っています。これらの活動を通して、感覚過敏に悩む人が暮らしやすい社会をつくることが目標です。
啓蒙活動は、少しでも多くの人に感覚過敏のことを知ってもらうためのものです。感覚過敏の辛さは当人にしかわからないので、他人から理解を得るのが難しいんです。目には見えないものなのでそれを可視化させるために「感覚過敏マーク」を作り、当事者が意思表示できるようそのマークを缶バッジやキーホルダーにしたりしています。

せんすマスク( 1,100円)
商品開発でいうと、最近はマスクが苦手で付けられない人のための「せんすマスク」を販売しています。全く肌に触れることがないので、飛沫対策グッズとして利用して頂けます。洋服のタグや縫い目を痛いと感じる人が着やすいように、縫い目を外側にしたパーカーも現在開発中です。
研究についてはまだまだですが、やりたいと思っているのは「感覚のコントロール」。感覚が過敏な状態と、そうでない状態をコントロールできるようになればいいなと思っています。感覚過敏は個性であり、一つの才能でもあると思うんです。たとえば僕は味覚過敏で食べられるものが少ないのですが、傷んでいるものや味の違いに気づくのは得意です。これを才能として利用できるシーンもありますよね。だから感覚過敏をなくすのではなく、良いところは残し、辛い状態を取り除けたらいいなと思っています。
未来:それができるようになれば、まさに感覚過敏の人が暮らしやすい社会が実現しそうですね。頑張ってください!
「親子起業」を通して気付いたこと
未来:今度はお母様にお話を聞かせてください。路瑛さんは小さな頃、どんなお子さんでしたか?
好奇心が旺盛で、何でもすぐに「やりたい!」と言う子でしたね。生まれたとき1652gしかなく、すごく小さかったんです。2月生まれということもあり同学年の周りの子と比べると、どうしてもできないことが多い印象でした。それなら好きなことをやって欲しいという想いもあって、本人がやりたいと言ったことはできるだけやらせていたと思います。
未来:路瑛さんは幼稚園生の頃から「働きたい」と言っていたそうですが、その頃のことは覚えていますか?
そのときは私も主人も子どもが働けるという意識が全くなかったので、一般的な考えで「学校を出て、就職して、大人になったら働けるんだよ」というような説明を普通にしてしまっていました。今思うと、親の想像力がなかっただけでしたね。
未来:それが変化して、親子で起業することになったのはどうしてだったんでしょうか?
やはり「ケミストリークエスト」との出会いが大きなきっかけでした。実際に起業している小学生がいるんだなと…。
未来:「(子どもでも)起業できるんだ!」と思われたんですね。路瑛さんが代表取締役になれる年齢でなかったこともあって、お母様が代表取締役、路瑛くんが取締役社長になる「親子起業」という形で起業されたとのことですが、お母様はもともと経営の知見をお持ちだったんですか?
全くありません。路瑛からなにか相談されたときに調べたりして、一緒に勉強しながらやってきました。







