風景印が記録できるノートとは?
ふじいなおみさん(以下、ふじい):今回は、漫画風景印ノート「Tabi Comi」をご紹介します。このノートは、風景印を通じて旅の思い出を記録することができる記録帳です。和歌山大学観光学部の学生さんと大阪書籍印刷株式会社で共同開発され、商品化を目指しました。

表紙は2種類のデザインが展開 サイズはB6サイズ ※「Makuake」プロジェクトページより引用
未来:恥ずかしながら「風景印」を知りませんでした。これはどういうものなのでしょうか?
ふじい:風景印は、郵便局で押してもらえる消印の一種。地域ごとの特産品や名所旧跡、ご当地キャラクターなどを用いたその地域独特の消印です。あまり知られていないのですが、全国1万局以上の郵便局に置いてあり、窓口で「風景印を押してください」とお願いすると押してもらえます。
注意点としては、風景印は消印になるので、もらうときは必ず切手を貼ること。また、窓口で押してもらうことになるので郵便局が空いている時間帯に行く必要があります。難しい場合は、大きな郵便局のゆうゆう窓口(通常の郵便局の営業時間外にも利用できるサービス。平日の夜間や土日祝日、年末年始でも営業しています。具体的な営業時間は公式サイトをご確認ください)でも押してもらうことができますよ。

ふじい:風景印は本当にさまざまで、例えば、福島県の須賀川市はウルトラマンの作者の出身地なのですが、各郵便局にウルトラマンやウルトラマンゼロなどのウルトラヒーローが描かれた風景印があったりします。私の地元では玉ねぎが名産なので、玉ねぎの枠に名所が描かれた風景印です。残念ながらすべての郵便局に置いているわけではないので、どんな風景印がどこにあるかは事前に調べていくと良いと思います。
風景印の詳細は郵便局サイトをご覧ください
未来:郵便局ごとにデザインが違うんですね。「この郵便局はどんな風景印なんだろう」と想像するだけでワクワクするし、地元のものがどうなっているのかも気になります。集めたくなりますね。
ふじい:このノートはまさに、「風景印を集めにちょっと違う場所に出かけてみませんか?」という、新しい旅の楽しみ方を提案してくれるノートなのです。
プロジェクトの背景にある観光学部学生の想い
ふじい:「Tabi Comi」は、クラウドファンディングが行われていて、アタラシイものや体験の応援購入サービス「Makuake」で先行販売されています。
未来:観光学部の学生さんが企画・開発に携わっているそうですが、開発にあたり何かきっかけはあったのでしょうか?
ふじい:もともとは、実際の商品化を目指す大学ゼミ対抗インターカレッジ「Sカレ(Student Innovation College)2023」をきっかけにスタートしたそうです。
大阪書籍印刷の「未来が描けるノートづくり」というテーマに対し、和歌山大学の学生が「旅行の記録を通してその地域にしかない魅力を発見できるノート」というコンセプトでこの商品企画を提案されました。

和歌山大学 観光学部「ぺぱぶる」 ※「Makuake」プロジェクトページより引用
ふじい:いま、特定の観光地では、観光客による交通渋滞や騒音など地域住民に悪影響を及ぼしたり、観光客の満足度を低下させる「オーバーツーリズム」という問題もあります。しかし、有名観光地だけが楽しめる旅先ではありません。このノートは、風景印を通して旅行者がまだ行ったことのない土地へ足を向けるきっかけを作り、その地域にしかない魅力を発見してほしいという想いが込められています。

※「Makuake」プロジェクトページより引用
漫画やコラージュなど楽しみ方はさまざま
ふじい:ページは全100ページです。そのうち80ページが旅記録ページとなっています。旅記録ページは、風景印をもらうページとフリーページ、漫画を描くページの4ページで構成されていて、1冊のノートで20回分の風景印がコレクションできるようになっています。

ふじい:郵便局名や日付を記載する欄があるので、風景印とともに記録すれば、どこに行ったのかすぐに分かるようになっています。郵便局では記念切手やご当地ならではの切手も販売しているので、記念切手と風景印の組み合わせを楽しむのもおすすめです。フリーページには、旅先でのリーフレットや入場チケットを貼って保管しておくのもいいですね。

ふじい:漫画ページはこちらです。

未来:私は絵が得意ではないので、漫画を描くのはハードルが高いとも感じます…。
ふじい:そういう方もおられると思います。必ずしも漫画を描く必要はなくて、その場所で撮ったお子さんの写真などを貼ってコラージュしても楽しいと思います。お子さんに自由に絵を描いてもらうのも素敵ですね。とても自由度の高いノートですよ。

“私たちだけの旅”を楽しんで
ふじい:私も風景印を集めているときがありました。妊娠中、つわりでベッドから起き上がれない時期で、唯一の楽しみが風景印を集めることだったんです。切手と返信用の封筒を用意し、「同封した名刺サイズのカードに風景印を押して返送をお願いします。」と郵便局宛てに手紙を送りました。すると、ちゃんと風景印を押して返送してくださったんです。ずっと家から出られなくて辛かった時期なので、届いたときにはすごく嬉しかったし、少しその土地を旅した気分になってワクワクしました。その土地の名産などを知ることも楽しかったのです。
子どもとの旅行やお出かけって、必ずしもその名所旧跡とか有名な観光地である必要はないと思うんです。ちょっとした公園とか、長い滑り台とか、ローカルな遊園地とか、ちょっとした非日常が味わえれば、子どもってすごく楽しんだり喜んだりしてくれます。
だから、この風景印を押しにいった旅先で、そんな”ちょっとした”非日常を味わえる場所に行ってみたり、その土地のおいしいものを食べたり、それだけで十分に楽しいのではないかと思います。そして、お子さんと一緒に風景印を押して、自由に旅の記録を楽しんでみてください。それは、とっておきの自分たちだけの思い出のノートになると思います。

お話を伺って
私は子ども時代、スタンプを集めることがすごく好きでした。勉強をがんばったとき、習い事で次のステップに進んだとき、ラジオ体操に出席したとき、自分の名前の印鑑を押したとき、旅行先の駅でスタンプを見つけたとき…。手で押さえて離すその一瞬で、素敵な絵や文字が突然現れる。それを見たとき、「わあ~」と魔法にかかったような、なんとも言えない嬉しい気持ちになるんですよね。大袈裟な感じですが(笑)、その気持ちは今も変わりません。その土地に行かなければ、出会えない風景印。それって、すごく特別な感じがしませんか?
日本各地、まだまだ知らないところがあるなと、子育てをしながら改めて思っています。知り尽くしたと思っていた地元でも、親になってみて、「こんな場所があったんだ」「こんな名物や特産品があるんだ」と思うことがまだまだたくさんあります。
その地域の人が紡いできたもの、その地域の人々が誇るもの、大切にしていること、その印が風景印だと感じます。その誇れる「印」に出会う旅は、たくさんの発見があると思います。子どもたちと一緒に、その印に出会う旅をしてみたいなと思わせてくれるノートでした。(osa)
お話を伺ったのは…ふじいなおみさん
〈監修者プロフィール〉
文房具のさまざまな特長・長所をより多くの方々に広める(プレゼンをする)「文房具プレゼンター」として活躍。ラジオ番組「他故となおみのブンボーグ大作戦!」をはじめ、ステイショナー「文具のとびら」、 小学館「HugKum」などのweb連載、動画「イロブンの引き出し開けていこう」など、さまざまなメディアで発信を行っている。万年筆のインクにも造詣が深い。
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