味噌は日本人にとって、とてもなじみ深い食材です。和食離れが進む現代ですが、子どもたちには日本が誇る伝統食材である味噌を、いつまでも美味しく食べてほしいと願うもの。以前から味噌づくりには興味があった筆者が「自宅で手軽にできる味噌作り体験セットがある」と知って5歳と3歳の子どもたちと一緒に初挑戦してみました!知識があまりなくても、自宅で子どもたちと楽しく味噌づくりができる模様や、子どもも楽しめるポイントなどをレポートします。
今回体験したのは・・・
貝印株式会社さんの公式オンラインストアにて2023年1月31日(火)10時まで期間限定で販売されている「自宅で手作り味噌を仕込むことができる味噌材料」のセットと大豆をきれいにすり潰せる「Kai House SELECT ヘルシーミンサー」のセット。なお、ご購入いただいた方には味噌探訪家の岩木みさきさん監修の味噌作りオンラインイベントへのご招待も!
貝印株式会社さんの味噌作り体験セット特設ページこちらから!
味噌は何から出来るの? まずは蔵元こだわりの原材料を見てみよう!
「今日は味噌作り体験を行います!」という第一声から始まった我が家の休日。
「味噌ってあのお味噌汁の味噌? それって作れるの?」と言う5歳の息子と「味噌ってな~に~?」とわけがわからぬ様子の3歳の娘。「その通り、お味噌汁の味噌だよ。味噌は何から出来ているんだろうね?」と返事をすると「見てみたい!」と子どもたちは興味津々な様子です。
今回ご紹介する貝印さんの味噌作り体験セットは、信州の蔵元「石井味噌」(米味噌)、宮崎の蔵元「ヤマエ食品」(麦味噌)、愛知の蔵元「中定商店」(豆味噌)の3つの蔵元がそれぞれ厳選したこだわりの原材料がセットとなっています。
味噌の原材料は大豆・麹(こうじ)・塩のたった3種類。調べたところ自分で味噌を作るときに悩むのが材料の配合比率なのだそうです。しかし、この体験セットはこれまでに80蔵以上を探訪してきた味噌探訪家の岩木みさき先生が監修した、こだわりの比率で配合された原材料が届くので、配合については考えなくてよいのは「初めてやってみたい」という人にはとてもいいですね。
いくつかあるセットのうち、私が体験したのは「ミンサー&食べ比べ3種セット計6kg仕込み」です。「ミンサー」とは自宅で手軽にミンチができるハンドル式の調理器具です。味噌作りの中でも大変な工程と言われる煮た大豆をすり潰す工程を、ヘルシーミンサーを使えば簡単かつきれいに仕上げることができます。
信州の蔵元「石井味噌」さんから届いたのは米味噌セット。すっきりとした味わいに、麹の香りが立ち、色々な料理に合わせやすい万能味噌に仕上がるそうです。初めて米麹を見た子どもたちは「いつものさらさらしたお米とは少し違うね!」と、普段家で食べている白米との違いに気づき、関心を持って見ていました。
宮崎の蔵元「ヤマエ食品」さんからは麦味噌セット。味噌本来のほどよい甘味を引き出した麦味噌だそう。麦麹をふんだんに使っているので、豊潤な麦の香りが楽しめます。麦麹は米麹と少し見た目が似ていますが、色が茶色っぽく「いいにおいがする!」と子どもたちも麦の香りを楽しんでいました。
愛知の蔵元「中定商店」さんからは豆味噌セット。原料は大豆と食塩のみで、濃厚なうまみが特徴の豆味噌。赤味噌とも呼ばれ、肉や魚介類と相性が良く煮込めば煮込む程料理がおいしくなる味噌に仕上がるそうです。
豆麹は大人の私も初見でした。見た目は石ころのようにゴツゴツしていて、質感はパサパサ乾いています。でも「なんだか美味しそう!」と息子。
子どもたちは興味津々で材料に手を伸ばし、乾燥大豆や3種類の違った特徴を持つ麹の手触りや香りを楽しんでいました。「本当にこれが味噌になるの~?」と半信半疑な様子。原材料に見て触れるだけでも、子どもたちにとってはいい刺激になっているようです。
「次はどうする?」好奇心の連続! いよいよ味噌作り開始
まずは大豆を洗います。普段お米や野菜を洗う際に率先してお手伝いしてくれる娘は「私がやりたい!」とやる気満々。いつもはあまり触れ慣れない乾燥大豆をよく観察しながら、きれいに洗っていきます。
丁寧に洗っていると、1つだけ茶色の大豆を発見した模様。「これだけ違う色だ!」「これは伝説の豆ですよ!」と兄と2人で盛り上がり、伝説の豆に出会えたことに大喜びしていました。子どもたちの発見・発想力がとても微笑ましいです。
きれいに大豆を洗った後は、しばらく水に浸しておきます。うちでは時間の都合で3時間程浸けておきました。本当は24時間水に浸けて置いておくのがいいそうです。味噌作りを行う日の前日に、大豆を仕込んでおくといいですね! 大豆が水を吸って水量が足りなくなってきたら、水を追加していきます。
次に、水で戻した大豆を大きめの鍋で煮ていきます。大豆が柔らかくなるまでたっぷりと、3~4時間程煮るとよいそう。途中で灰汁が出てきたらこまめに取り除いていきます。
最近料理に興味が出てきた息子は、火を使って茹でることに関心があるようなので「灰汁(あく)とり大臣」に任命しました。「こうやってこまめに取ってあげるとお豆が美味しくなるんだよ」と伝えると「任せて!」と大張り切り。「大豆さ~ん、これで美味しくなるからね! ゆっくりお湯であたたまってね」と声をかけながら一生懸命やっている姿に、見ているこちらも温かい気持ちになりました。
大豆を煮ている間に、麹と塩を大きなボウルで混ぜ合わせておきます。すり潰した大豆を投入する前に混ぜることで、塩分が均一になるためです。子どもたちはまるで砂遊びをしているように、混ぜる感触を楽しんでやっていました。
この器具の正体は!? 大豆潰しがいとも簡単にしかも楽しく!
大豆を煮ること約4時間弱。柔らかさを確認します。指で潰せるぐらいになったらOKです。子どもたちに試しに指で1粒潰してもらうと「潰れたよ!」と嬉しそうな2人。柔らかくなったので、鍋のお湯を切り粗熱をとったら、いよいよ大豆をすり潰していきます。
ここで「これな~に? 早く使いたい!」と子どもたちが心待ちにしていた「Kai House SELECT ヘルシーミンサー」の出番です!
まずは本体を平らな場所に置いて、吸着盤のレバーを回して固定します。あとは冷めた大豆を投入し、付属の白い部品で材料を抑えながらハンドルをゆっくり回すだけです。
使い方を説明すると、子どもたちは2人で話し合い「ハンドルを回す係」「材料を抑える係」と役割を分担し、協力してやり始めました。大豆が「にゅるっ」と潰れて出てくることに2人は大興奮。「すごいね!」「楽しい~!」と言いながら順番交代で少しずつ豆を潰していきます。
私も試しにやってみました。力を入れることなくハンドルを回すだけで、するすると形を変えて出てくる大豆達を見ていると感動すら覚えます。続けていると達成感に包まれ、無心でハンドルを回し続けられるほどです。これは楽しい!
その後も子どもたちは「もっとやりたい!」と飽きることなく進めていき、10分ほどで約2キロあった大豆を潰し終えました。
形を変えた大豆たち! 味噌作りもいよいよ終盤
次は、あらかじめ混ぜておいた麹と塩にすり潰した豆を加え、しっかりと混ぜていきます。「おいしくな~れ!」と言いながらボウルの中の材料を一生懸命混ぜる子どもたち。「だんだん味噌に近づいてきた気がする!」「味噌ってこうやって出来ていくんだね」と一緒に進めていく行程の中で、子どもたちもだんだんと理解してきたようです。
混ぜ終わったら次は味噌をお団子のように丸めていきます。空気を抜くようにやることがポイントだそう。「粘土みたい!」と言いながら2人は楽しそうに、小さな手で一生懸命丸めていました。
お団子を作るのって楽しいですよね。私もふと、子どもの時に母と作ったお団子づくりを思い出しました。
いよいよ終盤です。用意したタッパーに団子状の味噌を並べ、四隅に空気が入らないように注意しながらしっかり押さえつけて詰めていきます。空気が入ると、そこからカビが生える原因になるそうです。
2人のがんばりのもと、米味噌、麦味噌、豆味噌すべて詰め終わりました! 正真正銘、自分たちで仕込んだ「我が家の味噌」です!
最後に、空気の触れる面積が極力少なくなるよう容器にラップをかけます。雑菌除けのため、ポリ袋に塩を入れて口を縛り、ラップの上に重ねて置いておくとよいそうです。蓋を閉め直射日光の当たらない風通しの良い場所で、米味噌は約8カ月、麦味噌は約2か月、豆味噌は約12か月を目安にそれぞれ熟成させます。
子どもたちは「早く食べたい! 今から食べよう!」と言っていましたが「味噌は今から寝んねして、夏が終わる頃に出来上がるんだよ」と説明します。
「すぐ食べられないんだ~」と少し残念そうな様子。「でもね、置いておくことでとっても美味しい味噌になるよ! 楽しみだね!」と伝えると「わかった! じゃあ毎日話しかける!」と納得してくれました。
日本の伝統食材を子どもたちに伝えていくということ
自宅での初めての味噌作りは、楽しみながら無事に終えることができました。子どもたちにとっては、普段あまり目にしない原材料に触れたり、混ぜる感触を楽しんだり、とっておきの器具を使えたりと味噌づくりを通してさまざまな体験ができたと思います。今回の体験セットは、大人の負担も少なく未就学児の子どもでも調理工程を一緒に楽しみながらできるのがとてもよいと思いました。
子どもたちも「いつも口にしている食材は当たり前に最初からあるものじゃなくて、誰かが作ってくれている」ということを感じてくれたのではないでしょうか。これからも「何からできているんだろう?」「どうやって作られているんだろう?」という好奇心や探求心を持って、いろんなものを見ていってほしいです。
この味噌作り体験が、子どもたちの「知識」となり「思い出」になってくれればと感じています。彼らが大きくなったとき、母の味、我が家の味噌の味を思い出してくれたら嬉しいです。そして「味噌ってこうやって出来るんだよ」と、彼らの次の世代にも伝えていってくれたらと願っています。
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