乳幼児からの木育!「ぬくもり」だけじゃない、木のおもちゃのメリット

「木とふれあい、木に学び、木と生きる」ことを学ぶ「木育」という活動が広がっています。子ども向けの遊び場でも、大型の木製遊具が設置されているスポットが増えたり、デザイン性に優れた木製のおもちゃを見かけることが増えましたよね。

ところで、幼い頃から木のおもちゃとふれあうことは、子どもの成長にどんなメリットがあるのでしょうか? おもちゃコンサルタント、木育インストラクターとして活動しながら、地元材を使って職人が作った木のおもちゃ&道具で木育を推進するプロジェクトチーム「秩父もくもくかきく(秩父森画)」の代表を務める足立由美子さんにお話しを伺いました。

赤ちゃんでも親しみやすい木の玩具の秘密とは?

「木のおもちゃには温もりを感じると言われますが、それは、木が他の素材と比べて、極端に熱が伝わりにくい性質をもつためです。温度変化に敏感な乳幼児の場合、触れた時に人肌に近い温かみのあるおもちゃで遊ぶということは、感覚的に心地よく、好奇心や興味を妨げずに長く遊ぶことができます。そのため、集中力が育まれると言われています」

確かに、触った時に冷たいと感じることもなく、なんだか人の手を握っているような感覚で、大人でも心地よいですよね。

シンプルだからこそ育まれる想像力や表現力

足立さんが曰く、木のおもちゃ特有のデザインが、子どもの創造性や表現力を広げるきっかけになるのだとか。

「木のおもちゃは、積み木などに代表されるようにシンプルな形状、デザインのものが多いので、遊ぶほどに、想像力や表現力も身に付いてくると思います」

確かに、積み木で遊ぶわが家の2歳児を観察していると、いろいろな形の積み木を並べたり、積み上げたりして、徐々に「おうち」や「ブーブー」など、何かに見立てて、形を作って行くという遊びにまで広がっていきました。他のおもちゃではすぐに飽きてしまうのに、積み木だけは飽きることなく遊んでいたことを不思議に感じていましたが、ちゃんと理由があるのですね。

「子ども達は、木のおもちゃで遊ぶ場合、1つのおもちゃや遊具に関わる滞在時間が、他の素材に比べて長いと感じます。それは、抽象的なデザインのものが多く、遊び方が限定的でない分、子どもの想像力を刺激し、遊び方を自ら考え出すからかもしれません。また、科学的根拠はないですが、参加してくれる親御さんからは、木のおもちゃで遊ぶ時のほうが、おもちゃの取り合いやケンカが少ないという意見もよく耳にします」

さらに、親子で遊ぶ場合にも、遊び方を一緒に作り出して行く過程で、おのずと会話が増えるというメリットもあるそうです。

自然と共存することの大切さも、おのずと身に付く

「木は、私たち人間や身近な動物たちと同じ『生き物』です。『生き物』と向き合い、大切に付き合う(使う)、上手に利用するという流れを、木のおもちゃで体感することができます。そのため、これからの社会に必要とされる、森や山、川などの自然と共に生きて行くことのきっかけを、自然と作ることができるのではないでしょうか

集中力や想像力、表現力を育めるだけでなく、自然と共存していくきっかけにもなるんですね。そんな木のおもちゃや遊具を、もし持っていなくても、身近にある木の枝だって、立派なおもちゃになるそうです。

「拾った落ち葉や小枝、実などを家に持ち帰って、虫眼鏡でじっくり観察してみるだけでも、これまで気がつかなかった発見があって楽しいですよ。また、薄い紙を上に置いて、色鉛筆で写し絵をしてみるのもおすすめ。これによって、葉や枝の特徴を知ることができます。

それから、木そのもので遊ぶという方法も。抱きついたり、樹皮を触って感触を確かめる、においをかいでみる、周りにいる虫などの小さな生き物を観察してみるのもいいですね。同じ木を真下から眺めてみたり、遠くに離れて眺めてみるなど、遊び方はいろいろです」

その際に大切なのが、親子の会話と足立さんは言います。自分で発見したものや、どう感じたかを、言葉に出して伝えることが大切なんだとか。大人も一緒に語ることで、子ども達は、そこから新しい物の見方を学ぶことができるのかもしれません。

体全体で木を感じることは、大人も子どもも気持ちいい体験

ところで、木のボールプールなど、大型の木の遊具で遊べる施設も増えていきていますが、そういった場所で遊ぶことも、子ども達にとってメリットはあるのでしょうか?

「国内で、木の大型遊具を設置した施設の先駆けである、東京おもちゃ美術館では、床も壁も国産木材で作られた『木のお風呂』をはじめ、一般家庭に置くのは難しい大型の木のおもちゃや遊具で遊ぶことができます。使われている木の種類は様々で、その色や香り、感触もそれぞれ違います。五感をフル回転させて、体全体で木を感じることは、大人にとっても子どもにとっても気持ちのいい体験です

最近は、子ども向けの様々なおもちゃが身近に溢れていますが、改めてシンプルな木のおもちゃや遊具で遊んでみると、意外な楽しさを親も一緒に発見できそうです。

お話を聞いたのは…
足立 由美子さん
クラフトギャラリー「百果店ひぐらしストア」店主。地元材&職人で作る木のおもちゃ等で木育を推進するチーム「秩父もくもくかきく(秩父森画)」代表。身近で手に入る木や古材で木工品を制作する「ツグミ工芸舎」の運営、木育インストラクター・おもちゃコンサルタントとして、本の監修、講演・イベント等の開催にも携わる。

ライター紹介
相馬 由子
1976年生まれの編集者、ライター。プリンセスに憧れる3歳の娘と、お城の石垣マニアの夫との3人家族。趣味は国内外の寺院や仏教遺跡、城を巡ることとアウトドア。そろそろ親子キャンプデビューしたい。

※こちらは2014年12月にいこーよで公開された記事の再掲です。

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