子どもに大人気!魔法の板『カプラ(R)ブロック』の秘密

Amazon知育・学習玩具大賞に輝いた、フランスの造形ブロック「カプラ(R)」をご存知でしょうか。同じサイズの小さな木の板を組み合わせるだけというシンプルなオモチャですが、子どもの五感を刺激し、創造性を育む「魔法の板」とも呼ばれています。そんなカプラの魅力をカプラジャパンの冨安智子さんに聞いてみました。

選び抜かれた素材、黄金比率、精密な加工が実現する「魔法の板」

オランダ語で「小人の板」を意味するカプラは、30年前にフランスで誕生した造形ブロックです。見た目はまるで小さな「かまぼこ板」のようですが、積み重ねるだけであらゆる物を形作ることができます

「カプラは、1枚の厚み:幅:長さが、1:3:15の比率になっています。カプラを3枚重ねると『幅』と同じ高さになり、15枚重ねれば「長さ」と同じになります。カプラ考案者のトム・ブリューゲンが15年かけてたどりついたこの比率によって、あらゆるものを形作ることができるのです。」

三次元の黄金比率」と呼ばれるその比率を実現するのは、精密な加工。素材には、フランス南部の温暖な気候が育む「フランス海岸松」だけを使用し、反りや割れが起こらないよう、含水率まで緻密に計算しているそうです。

「カプラを重ねると、お互いが磁石のように吸い付き合う性質があります。多少斜めにしても、ぴったりくっついて離れません。これは、素材の特性と仕上げの正確さによるものです。直角を丁寧に出し、1枚1枚が寸分の狂いもなく仕上げられています。」

「カプラに適した素材は、世界中でフランス海岸松だけ」と言う素材へのこだわりと、「計算されつくした比率」、「精密な加工」の3つが合わさり、ただの小さな木片を「魔法の板」に変えるのです。

木琴と同じ波形を持つ、カプラの音色

子どもの遊びに欠かせない五感への刺激。これもカプラの特徴です。美しい木目、やわらかく心地よい手触り、そしてすがすがしい白木の香り。白木のままで仕上げるため、口に含んでも心配ありません。そして、最も特徴的なのは、その音です。

「カプラを叩くと、とてもきれいな音を立てます。音響工学の専門家が実験をしたところ、音の波形が木琴と非常に近かったそうです。カプラを崩すときの『カラカラカッシャーン』という音には、病みつきになってしまう魅力があります。」

カプラで遊ぶ子どもたちは、その音も楽しみながら、積んでは崩しを繰り返すそうです。

家、動物、町、「カプラ(R)」ならなんでも作れちゃう!

カプラはワンサイズの木片を組み合わせるおもちゃ。遊び方にルールも決まりもありません。それでも、アトリエなどで開催している造形教室では、子どもたちに必ず伝えることがあるそうです。

「基本の置き方は、『ねる』『おきる』『立つ』の3つだけ。それだけで世界中のあらゆる物を作れるんだよ、と教えます。そのうえで大切なのが、『几帳面に積むこと』ですね。角をきっちりと合わせて積んでいくと、見た目も美しく、安定性も増してきます。その心地よさを必ず伝えるようにしています。」

「ねる」

寝かせて置けば、安定感抜群。小さな子どもでも安心して積むことができます。

「おきる」

より高く、より早く積み上げるなら、「おきる」。1分で大人の背丈まで積み重ねた記録があるそうです。

「立つ」

精密に加工され、反りや曲がりが一切ないカプラは、立たせて積むこともできます。

それでは、実際にカプラを使ってどんなものが作れるのか、その作品の一部をご紹介しましょう。

カプラを使った作品の一例

積み重ねた「ねる」にカプラを斜めに立てかけて、かわいいとんがり屋根ができました。

カラーカプラを使って、りすの完成!

線路に汽車を走らせましょう!

家族みんなで協力しながら、小さな町を作りました。

こちらは、カプラジャパンのアトリエ「Centré KAPLA TOKYO」で作られた作品。今回の取材で訪問した際には、幼稚園児が作った大きな口の「ワニ」と「家」、小学生が数人がかりで作った「水門」ができていました。

横浜ランドマークタワーで開催された、「父と子のカプラワークショップ」の作品です。朝から親子90組・180人が参加し、横浜の街を作りました。

年齢とともに変化する遊び方を通して、子どもの成長を実感!

ひたすら高く積み上げる。いろんな形を作ってみる。そうして夢中になってカプラで遊んでいるうちに、子どもの集中力や創造性が自然に高まるそうです。

「指先に神経を集中させ、カプラを一枚一枚置いていく。それでも、積み重ねていくうちに必ず崩れます。『なぜ崩れたんだろう?』と考え、再び挑戦する。次はもう少しうまくできるでしょう。その体験が、子どもの集中力と創造性を高め、自己肯定感を生み出してくれるのです。」

また、成長するにつれて遊び方が変化してくるのも、カプラの魅力です。年齢ごとにどのような遊び方をするのか、冨安さんに伺ってみました。

【3歳】カプラで床にお絵かき

「床に並べてお絵かきをはじめるのが3歳くらい。お花や動物を描いたり、電車好きの子であれば線路を作ったり、どこまでも長くつなげていったりと、遊び方にも個性が現れはじめます。」

【4歳】積み上げる楽しさを覚える

「4歳くらいからは、積み上げることが楽しくなります。自分の背丈を超え、イスに乗ったりしながらひたすら高く積み上げます。また、積み上げたカプラに屋根をつけて、お家にしたりもできるようになります。」

【5歳】友だちと一緒に作りはじめる

「幼稚園の年長さんくらいになると、みんなで協力して形のあるものを作るようになります。ワークショップでも、協力して大作を仕上げていますよ。」

【6歳〜】作りあげるものを自分でイメージする

「小学生になると、自分でイメージしたものを作れるようになります。女の子なら動物、男の子は乗り物系が多いですね。学年が上がるにつれ、球体を入れたり、離れた距離をつないだりと高度になっていき、『こうしたい』という発想が豊かになっていきます。」

そして一番大切なのが、じつは0歳〜2歳の子どもだそうです。この年齢だと、まだ崩すことしかできません。でもカプラは、崩すことから始める遊びなのです。

「ある保育園で、1歳児のクラスにカプラを取り入れた日に、保育士がカプラを積み上げて、『エイ!』と崩したその瞬間、子どもたちの目がキラキラ輝きだしたそうです。形のあるものを崩す、それが理屈抜きに楽しいんです。」

最初は崩すことしかできなかった子どもが、やがて並べるようになり、積み上げ、形を作るようになっていく。少しずつできることが増えていく。それはパパママにとってこの上ない喜びです。カプラの遊び方を通して、我が子の成長を実感しましょう。

まずは200枚のセットからがおすすめ!

カプラは、100枚、200枚、280枚、1000枚のセットで販売しているほか、カラーのカプラなど、たくさんの種類があります。「ぜひカプラで子どもを遊ばせたい!」と考えるパパママへのおすすめを聞いてみました。

「わたしのおすすめは、白木の200枚セットです。はじめてカプラで遊ぶなら、それで十分。まずは200枚を遊び尽くし、それでも足りなくなって、子どもが『もっとほしい!』と口にしたら、もう200枚を買い足すのか、次はカラーカプラにするのかなど、子どもと相談して決めるのがよいのではないでしょうか。」

カプラは、もともとは建築模型用の材料として生まれたそうです。それだけに、大人でもついつい引き込まれてしまう魅力があります。「遊んであげる」ではなく、「一緒に遊ぶ」。その体験を通して、子どもとより深いコミュニケーションがとれるはずです!

★この記事のポイント★

  1. 積み重ねるだけであらゆる物を形作ることができる。
  2. その秘密は緻密に計算された「三次元の黄金比率」。
  3. 「ねる」「おきる」「たつ」の積み方でなんでもできる。
  4. 3歳以上はもちろん、0〜2歳時から「崩す」遊びが楽しめる。
  5. 最初に買うのは200枚セットがオススメ

参考書籍

お話を聞いたのは…
冨安 智子さん
Centré KAPLA TOKYO代表、カプラインストラクター養成講師、カプラビルダー。3歳の息子と一緒に遊べるおもちゃを探しているときにアメリカの保育大会でカプラと出会い、1996年に日本総代理店となる。本国フランスで研修を受け、カプラインストラクター養成講師の資格を取得した後、日本で唯一のカプラ造形教室「Centré KAPLA TOKYO」を設立。以来、アトリエで造形教室を開催するほか、保育園や幼稚園、小学校でワークショップを行い、カプラの楽しさを伝え続けている。
カプラジャパン公式ホームページ
カプラオンラインショップ
造形教室Centré KAPLA TOKYO

ライター紹介
菊地 貴広
編集プロダクション・しろくま事務所(http://whitebear74.jimdo.com)代表。2014年に出版社から独立し、ファッション、グルメ、ビール、猫、タレント本など幅広く活動。2015年11月に男子が誕生し、息子に夢中。その成長を見るたびにフルフルと感涙する日々。

※2016年11月にいこーよで公開された記事の再掲です。

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