今回の相談は、6歳のお子さんが動画で性的なコンテンツを見てしまい、どのように対応すればよいか悩んでいるとのこと。こうした状況での子どもとの向き合い方について、アドバイスをいただきました。
このお悩みにアドバイスをくれたのは…
漢那 初美先生
〈監修者プロフィール〉
幸せに生きる大人の姿が子どもの未来を切り開くという視点から、脱おりこうさんをテーマに、人生支援コーチを行っている。2021年まで14年間沖縄県立高校教師として、のべ1500名の生徒の願いや行動力を引き出してきた。教育相談担当として学校生活で困りごとを抱える生徒・保護者の相談に乗るだけでなく、自身の娘の不登校とも向き合うことで、本当の子供の幸せについて向き合い続けてきた。沖縄県出身沖縄県在住。中2、小5の娘の母。いこーよ子どもコーチング認定コーチ。教育コミュニケーションマスター。珊瑚舎スコーレ高等専修学校講師。Plus Canna株式会社取締役。デジタルはるさー協同組合役員。
<相談内容>
YouTubeなどの動画が見られるゲーム機で、先日6歳の女の子が性的な動画を見ていました。個人でアップされたものだと思いますが、アニメーションで性加害的な作品でとても嫌だと感じました。おそらく兄の見ていたものの関連でおすすめに出てきたものだと思います。動画を見る時間が野放しに増えている(夫が了承してしまいました)ことに加え、内容が暴力的なものなのは心配です。こういった動画視聴や内容の制限や教育について、どうしたらよいでしょうか。夫には、コントロール不可能なので時間は増やさないでほしいと言いました。性的内容については、まず性教育が必要だと考えています。
まずは環境を整えることから
動画を見るルールは家庭によってさまざまだと思いますが、6歳という年齢を考えると、やはり制限は必要だと思います。
子どもにとって適切なデジタル環境を整えてあげられるのは保護者だけです。デバイス利用のルール変更には、お子さんからの反発もあるかもしれません。しかし、子どもの心を守るために「本当に困っている」と感じるなら、ルールを見直すことも必要です。
- 使用するゲーム機やアカウントを兄妹で分ける
- チャイルドロック機能をしっかり設定する
などといった対策を、家庭の状況に合わせて考えてみるとよいと思います。
これは家庭でのルールの問題でもあります。おひとりで抱え込まず、お父さんにも状況をしっかり理解してもらい、一緒に考えたいですね。
一緒に考える姿勢で性教育のきっかけに
とはいえ、制限をしたからといって、良くない情報を完全に避けることはできません。とくに日本は性的な動画や広告が出やすいと聞いたことがあります。
性的なことに興味を持つのは人間として自然なことで、悪いことではありません。昔は、落ちている性的な内容を含んでいる雑誌を友だちと拾ってこっそり見て騒いだり、そんなこそばゆい好奇心から性について知ることもありました。でも今は、ネットでさまざまな性的コンテンツがあふれ、しかもオープンにその情報が広がっています。
今回は、性加害的な動画を見てしまったとのこと。もし子どもがそうしたコンテンツを見てしまったときには、「見てはいけない」と完全に遮断するのではなく、性教育のひとつのきっかけにできればよいと思います。
- 「女の子を大切にしていなくてお母さんはこういうの悲しいな」
- 「嫌がっているのにやっているなんてお母さん許せない」
- 「お母さんは水着ゾーンは本当に大切な人にしか見せたくないな」
など、お母さんの気持ちを素直に伝えてみるといいかもしれません。上から言うというよりは、子どもと同じ目線で、「みてどう思った?」とお子さんの印象も聞きながら、いいものではないということを伝えることが大事だと思います。
そういった会話を通して、周りの人を大切にする気持ちや、一人の人を尊重する心が育まれていきます。どんなことが人を傷つける行為になるのか、考えるきっかけにもなります。人を大事に想う気持ちがあれば、不適切なコンテンツを見ても「これは嫌だ」と子ども自身で判断できるようになるはずです。
何でも話せる関係づくりが大切
性について親子で話をするのは、お互い恥ずかしい気持ちがあったり、子どもは親と話したくないと思うかもしれません。大切なのは、性のことにかぎらず、なんでも相談しやすい親子関係を作っておくことです。
「こんなことを話したら怒られる」と子どもが思ってしまうと、なにか問題が起こったときに子どもは隠すようになってしまいます。過去には「妊娠したけど親に言えなくて困っている」と、高校生から相談を受けたこともありました。親に相談できず、どんどん事態が大きくなり、結果的に子どもが傷ついてしまう状況は親としても避けたいことです。
相談できる親子関係は、子どもが大きくなってから急に作れるものではありません。びっくりするようなことを話されたとしても、頭ごなしに怒らず、まずは子どもの気持ちに寄り添って話を聞き入れる。小中学生のときから子どもが話しやすい関係性を築いておくことが大事だと思います。
さまざまな情報やコンテンツが混在するデジタル時代です。制限だけでは限界があるからこそ、見たくない情報とどう向き合っていくか、子どもと一緒に考えていけたらいいですね。
お話を伺って
デジタル時代の子育てにおいて、嫌な情報から完全に目を背けることはできません。だからこそ、人を大事に想う気持ち、周りの人を大切にする心を育くんでいくことがとても大事なのだと改めて感じました。日々の暮らしの中で、世の中にあふれる「良いこと」「悪いこと」を子どもと同じ目線で、一緒に考える時間を少しずつでも作っていけたらと思います。
※同じ相談内容を別の先生にも聞いています。記事はこちら
幸せに生きる大人の姿が子どもの未来を切り開くという視点から、脱おりこうさんをテーマに、人生支援コーチを行っている。2021年まで14年間沖縄県立高校教師として、のべ1500名の生徒の願いや行動力を引き出してきた。教育相談担当として学校生活で困りごとを抱える生徒・保護者の相談に乗るだけでなく、自身の娘の不登校とも向き合うことで、本当の子供の幸せについて向き合い続けてきた。沖縄県出身沖縄県在住。中2、小5の娘の母。いこーよ子どもコーチング認定コーチ。教育コミュニケーションマスター。珊瑚舎スコーレ高等専修学校講師。Plus Canna株式会社取締役。デジタルはるさー協同組合役員。
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