今回は、子どもが学校で漫画を読んでいたこと、それを先生に注意された事実を隠していたことにショックを受けたママからのご相談です。宿題をやっていないこともごまかすなどウソが増えてきたことに不安を感じる保護者に、子どもの心理との向き合い方について専門家のアドバイスをお届けします。
このお悩みにアドバイスをくれたのは…
松下 隼司(まつした じゅんじ)先生
〈監修者プロフィール〉
1978年愛媛県松山市生まれ、大阪府の公立小学校教諭として現在も勤務。アンガーマネジメントの資格を持ち、2018年には全日本ダンス教育指導者指導技術コンクールで文部科学大臣賞を受賞するなど、多彩な才能を発揮。音声配信プラットフォーム「Voicy」パーソナリティとしても活躍中。著書に『ぼく、わたしのトリセツ』や『せんせいって』など。
<相談内容>
子どもが学校の授業中に友達と漫画を読んでいたことが、担任の先生からの連絡でわかりました。先生は「『漫画を没収して、先生からも持ってこないでねと言われたこと』を親に伝えておいてください」と子どもに言ったとのことなのですが、実際は親には黙っていたようです。学校で漫画を読んでいたことよりも、そのことで先生から指導があったことを子どもが親に言わなかったことにショックを受けて、子どもを激しく叱ってしまいました。この件以外にも、出されている宿題の範囲をごまかしてやったふりをしていたことなどもあります。ウソをつくのが平気なのではないかと、とても心配です。
「バレたくない…」という気持ちは大人にもある
「ウソをつくのが平気になっているのでは」という心配はもっともだと思います。「ウソはいけない」「ウソをつくと後でもっと大変なことになる」というのは、その通りです。今回強く叱られてお子さんが身をもって経験したことは、よい教訓になったのではないでしょうか。
でも、「バレなかったらいいな」「言わないでおこう」という気持ちは、子どもだけでなく大人にもあると思います。例えば
・新しい服を買って「セールで安かった」と言ったけど実は高かった
・散髪に行ったついでに、こっそり漫画も読みに行った
のように、夫婦間でもお互い小さなかくし事の一つや二つはあると思います。お子さんが「黙っておきたい」と考えることは、ある意味成長の一つとも言えます。
きっとお子さんは「これを言ったら怒られるだろうな」と思って黙っていたのでしょう。子どもらしいかわいいウソだと思いますよ。つい我が子のこととなると「ウソをついて!」と怒る気持ちもよくわかります。でも誰も傷つけていないですし、「しょうがないな」と受け止める余裕があってもいいかもしれません。
「何読んでいるの?」と子どもの興味に関心を持つ
では、なんと声をかければいいのか? 私がもしこの状況になったら、まず「どんな漫画を読んでたの?」と聞いてみます。
実は私も、学生時代、授業中に漫画を読んでいたという過去があります(笑)。でも、そのときは「授業よりも漫画の内容がためになる! おもしろい!」と思って読んでいたんですよね。
漫画には学びの要素がつまったものもたくさんあります。いきなり叱るのではなく、「どんな話なの?」「ちょっと読ませて」など、まずお子さんの興味に共感してあげると、子どもも安心すると思います。そのうえで、「でも、授業中に読むのは先生に対して失礼だね」などと伝えれば、子どもも親の言葉を素直に受け入れやすくなるのではないでしょうか。
親子で「この漫画おすすめだよ」などと、同じ趣味を楽しむこともおすすめです。子どもは喜ぶし「親は話を聞いてくれる」「共感してくれる」と思うようになります。そういう関係性が築けると、子どもは「親は味方だ」と感じ、何か問題があったときに「相談してみよう」と思えるのではないのでしょうか。それが結果的に「親に黙っている」「ウソをつく」という行動が減っていくことにつながっていくのです。
お話を伺って
「隠したいことは誰にでもある」というお話には、「なるほどな」とハッとしました。ウソはいけないと伝えていくのは大事なことです。でも、我が子だからこそつい厳しくなってしまうときには、「自分はどうかな?」と視点をかえて一度考えてみることも大事ですね。
子どもが興味をもっていることに対して「それなに?」「どんなふうにおもしろいの?」と聞くと、子どもの目がイキイキするのも、よくわかります。子どもの好きなことに関心を持つことが、子どもと信頼関係を築いていくカギだと感じました。子どもにとって、話しやすい存在、友だちのような関係になれたら、親としてもとてもうれしいことです。
1978年愛媛県松山市生まれ、大阪府の公立小学校教諭として現在も勤務。アンガーマネジメントの資格を持ち、2018年には全日本ダンス教育指導者指導技術コンクールで文部科学大臣賞を受賞するなど、多彩な才能を発揮。音声配信プラットフォーム「Voicy」パーソナリティとしても活躍中。著書に『ぼく、わたしのトリセツ』や『せんせいって』など。
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