今回は、小学6年生のお子さんを持つ保護者からのご相談です。服にペンの跡がついて帰ってきた子ども。トラブルがあったことを何も話してくれず、学校の友だちとうまくいっていないのではないかと心配しているそうです。子どもの気持ちを引き出す方法や学校との適切な連携について、教育現場での豊富な経験を持つ専門家に伺いました。
このお悩みにアドバイスをくれたのは…
松下 隼司(まつした じゅんじ)先生
〈監修者プロフィール〉
1978年愛媛県松山市生まれ、大阪府の公立小学校教諭として現在も勤務。アンガーマネジメントの資格を持ち、2018年には全日本ダンス教育指導者指導技術コンクールで文部科学大臣賞を受賞するなど、多彩な才能を発揮。音声配信プラットフォーム「Voicy」パーソナリティとしても活躍中。著書に『ぼく、わたしのトリセツ』や『せんせいって』など。
<相談内容>
小6の子どもが服にペンの跡をつけて帰ってきました。そのときはわからなかったのですが、しばらくしてママ友から「クラスメイトとトラブルがあり、そのお友だちがつけてしまった」という話を聞きました。それならそう言ってくれたらいいのに、何かクラスに溶け込めていなかったり、お友だちとうまくいっていなかったりするのかと心配です。子どもはその後も普通に学校に行っていますが、何も詮索せず、子どもが言ってくれるまで待っていた方がいいでしょうか。
子どもとのコミュニケーション方法は?
お子さんが何も話してくれないという場合、コミュニケーション方法は、男の子と女の子で対応が少し違ってくるかもしれません。また、その子の性格によっても変わってきます。
直接本人に聞ける関係性ならばそれでもよいですし、繊細なお子さんや思春期に入って反抗しがちな子などには、LINEや手紙を使うとよいです。「あの日の服のペンの跡のことがずっと気になっている。とても心配している。もし話せることがあったら教えてほしい」と、親としての正直な気持ち、子どもを想う気持ちを伝えてみてください。
面と向かってだと「うざい」などと反発する子でも、文字であれば冷静に親の感情を受け止め、考えることができます。親も感情的にならずにゆっくり言葉を選べるので、LINEや手紙は気持ちを伝える良い手段となります。
誰とトラブルがあったのか確認を
ペンの跡をつけた子が誰なのかを確認することも大切です。もしお子さんが誰か教えてくれない場合は、ママ友などに聞いてみるのもよいです。
小学6年生であれば、クラスの人間関係や、どんなお子さんがいるのかがなんとなくわかってきます。たとえば、相手の子がもともと衝動的な性格だったり、普段からふざけあう仲という場合も考えられます。
6年間一緒に学校生活を過ごしてきた子どもなら、親も「あの子か」と名前を聞いて想像がつくことがあるかもしれません。そこから「まあ、悪気はなかったのかも」と安心できることもあります。
しかしそうではなく、人間関係のトラブルや、からかいの的になっているのならば心配です。しかもペンというのは(色が)落ちにくいもの。いたずらだとすれば悪意を感じるので、その場合は慎重に対応する必要があります。
放置はダメ!気になったことは先生に確認を
何より大事なのは、学校で起きたことですから、担任の先生に相談することです。「子どもの服にペンの跡がついていました。友だちと何かありましたか?ご存知ですか?」と事実を伝え、状況を確認します。
書かれた子自身が何も言わなければ、先生は気づかないままになっている可能性もあります。親が先生に相談することで、その子たちの関係をより注意深く見てくれるようになり、クラス内の様子をしっかり観察してくれるはずです。
気をつけたいことは、トラブルの相手に親と先生が話したことが知られ、かえって状況が悪化するケースです。先生に相談する際は「親から話があったことは子どもに知られないようにしてほしい」と伝えておくことが大事です。
一番よくないのは、放置してしまうこと。何も声を上げないことで、加害した子どもが調子に乗ってしまい、ペンで書く内容がひどくなったり、カッターで何かを傷つけたりなど、行動がエスカレートする可能性もあります。小さなことでも放っておかずに、初期対応することがとても大事です。
お話を伺って
保護者として心配な気持ちを、子どもに正直に伝えることは大事なことです。たとえ子どもからなにも反応がなかったとしても、「自分は味方である」ということが子どもの心に多少なりとも響いてくれると信じたいですね。
そして、保護者として気になったこと、モヤモヤしていることは、どんなに小さなことでも学校の先生に遠慮なく相談することが、とても重要なことだと感じます。
1978年愛媛県松山市生まれ、大阪府の公立小学校教諭として現在も勤務。アンガーマネジメントの資格を持ち、2018年には全日本ダンス教育指導者指導技術コンクールで文部科学大臣賞を受賞するなど、多彩な才能を発揮。音声配信プラットフォーム「Voicy」パーソナリティとしても活躍中。著書に『ぼく、わたしのトリセツ』や『せんせいって』など。
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