【季節の絵本連載】雪だるまや雪遊び、冬に親子で読みたい絵本

寒さが厳しくなり、暖かい家の中で過ごすことが増えるこの季節ですが、家の中でただじっとしていることほど、子どもにとって退屈なものはありません。親子で一緒に楽しめる工夫を凝らした絵本を、絵本選定のプロである千代田図書館の大塚さんにご紹介いただきました。

細かく描き込まれたものや参加型で楽しめるものをセレクトして

家の中にいる時間がたっぷりあるからといって、ただストーリーが長いものという視点で選んでしまっては、子どもは飽きてしまいます。絵本の厚さや長さに関係なく、描写が複雑なものを選び、描かれているものをじっくり楽しみましょう。また、扉や窓を開けたりして遊べる仕掛け絵本など、参加して楽しめるタイプのものがおすすめです。

2歳におすすめの絵本

このゆきだるまだ—れ?

このゆきだるまだーれ?

(作:岸田 衿子 絵:山脇 百合子 出版社:福音館書店 本体価格:1,000円+税 発行日:1997年11月)

雪がちららほららと降る日、もみちゃんがそり遊びをしています。そこへお友達の動物たちが次々と乗り込みますが、そりが滑るうちに一匹、また一匹とポロポロと転がり落ちてしまいました。そりが下まで滑り降りたとき、動物たちはどうなっていたでしょうか?

<おすすめポイント>
リスやぶた、くまたちが転がり落ちていくときの擬音語がそれぞれ違っていて、そのリズミカルな音を楽しむことができます。また、「このゆきだるまだーれ?」と当てっこするミニクイズが盛り込まれているシーンは、子どもが何度もやりたくなることでしょう。

3歳におすすめの絵本

『だるまちゃんとうさぎちゃん』

『だるまちゃんとうさぎちゃん』

(作・絵:加古 里子 出版社:福音館書店 本体価格:900円+税 発行日:1977年4月)

だるまちゃんとだるまこちゃんが雪だるまを作ろうとして、おかあさんからりんごをもらいます。うさぎちゃんたちと出会って一緒に雪だるまや雪うさぎを作ったり、手袋でうさぎ人形を作ったり、うさぎの形のりんごを食べたり…次々と楽しい遊びが登場! 最後は雪だるまの目に使ったりんごがなくなって…?

<おすすめポイント>
雪だるまづくりから始まった遊びが、うさぎやりんごといったモチーフに沿っていろいろな遊びに広がっていきます。家の中でできるアイデアがたっぷり入っているので、親子で一緒に遊ぶときのヒントになることでしょう。雪だるまの目のりんごが付いたり取れたりして「たんげさぜん」「ざとういち」などちょっぴり難しい言葉も学べます。

4歳におすすめの絵本

『こよみともだち』

『こよみともだち』

(作:わたり むつこ 絵:ましま せつこ 出版社:福音館書店 本体価格:1,000円+税 発行日:2006年12月)

羽子板の顔をした1月さんから、サンタクロースの恰好をした12月さんまで、12人が次々に登場し、友達になります。全員が集まったところでパーティが開かれ、最後はみんなで一緒に住むことに。さて「こよみのいえ」では、みんなどんな風に暮らしているのでしょうか?

<おすすめポイント>
各月を擬人化して子どもに親しみやすくすることで、「1年は12の月でできている」ことをわかりやすく教えてくれます。それぞれの月の特徴がしっかり描かれているキャラクターなので、感覚的に暦が覚えられるところもポイント。ラストに出てくる家は仕掛けページになっているので、開いて閉じて、手を使っても楽しめる絵本です。

『はたらきもののじょせつしゃ けいてぃー』

『はたらきもののじょせつしゃ けいてぃー』

(作・絵:バージニア・リー・バートン 訳:石井 桃子 出版社:福音館書店 本体価格:1,200円+税 発行日:1978年3月)

キャタピラのついている赤いトラクターのけいてぃーは、夏にはブルドーザーを付けて働き、冬になると除雪機を付けて働きます。誰も動けない大雪の日、ただ一人動けるけいてぃーは、真っ白な「じぇおぽりすの町」にみるみる道をつくり、次々にみんなを助けていきます。

<おすすめポイント>
けいてぃーが雪の中1人奮闘する姿は、最後までやり遂げる素晴らしさと、冬の自然の厳しさを教えてくれます。また冒頭のページには、働く車のさまざまな種類や、詳細に書き込まれた「じぇおぽりすの町」の地図が載っていて、車好きな男の子ならずっと眺めていても飽きないことでしょう。

5〜6歳におすすめの絵本

『ちょろりんのすてきなセーター』

『ちょろりんのすてきなセーター』

(作・絵:降矢 なな 出版社:福音館書店 本体価格:800円+税 発行日:1993年3月)

寒がりやのとかげのちょろりんは、ある日、春のはらっぱ色のセーターをショーウィンドウで見かけて欲しくなります。そこでランプづくりの仕事を手伝ってお小遣いを貯め、とうとうセーターを買いに出かけます。ところが、セーターはちょろりんの体には合わず…ちょろりんはセーターを手に入れることができるのでしょうか?

<おすすめポイント>
思い続ければきっと願いは叶うこと、そのために努力する大切さをじんわりと伝えてくれます。ちょっと怖そうなお店のおばさんがちょろりんにしてくれたことから、他人を助けるやさしい気持ちを学ぶこともできるでしょう。温かな絵のタッチが、セーターの温もりを一層感じさせてくれる一冊です。

「読み聞かせ」が大切なのはなぜ?

季節折々に子どもに読み聞かせたい絵本をご紹介してきたこの連載も、今回が最終回となりました。最後にあらためて、読み聞かせの大切さについて大塚さんにお話を伺いました。

「読んで」と言われたときに後回しにしないで

忙しい毎日の中では、子どもに何度もせがまれるとつい「後でね」と言ってしまいがちですが、その瞬間が子どもの言語能力を育む最大のチャンスなのです。お母さん(もちろんお父さんでも)の声で語りかけてあげることを続ければ、その効果は必ず子ども自身の変化として現れます。

言葉の数が増えれば、子どもの「伝える力」が育つ

絵本から習得した言葉を、今度は自分のものとして使い分けられるようになった子どもは、幼稚園や学校など親から離れた生活を送るようになっても、その様子を自分の言葉で親に語ってくれるようになります。そのときに親がきちんと向き合い傾聴できれば、今度は子どものコミュニケーション力を伸ばすことにつながります。

「自分で読む」ことにスムーズに移行でき、読書の習慣につながる

読み聞かせをたくさんしてもらった子どもは、次のステージとして自分で読むことを始めます。途中まで親が読んであげ、続きを自分で読ませるなど、ちょっとだけお手伝いをしてあげるなどの工夫をしてあげましょう。そうすると自らが率先して読書をすることを楽しむようになります。

親子で絵本を楽しめるのは、ほんの少しの間だけ。ぜひ、できるだけたくさんの絵本の世界を子どもと共有してくださいね。

お話を聞いたのは…
千代田区立千代田図書館
平日は夜10時まで開館し、街案内も行うコンシェルジュサービスや電子書籍の貸出を行う千代田Web図書館、子ども向けから大人向けまで様々なイベントを開催するなど、画期的なサービスを実施。
住所:千代田区九段南1-2-1千代田区役所9・10F 電話番号:03-5211-4289・4290
月~金 10:00~22:00/土 10:00~19:00 日・祝・12月29日~12月31日 10:00~17:00 ※夏期は9時開館となる期間あり。
休館日:第4日曜日、1月1日~1月3日、特別整理期間
千代田区立千代田図書館

ライター紹介
吉田 飛鳥
子どもを持ってからというもの、これまで生きてきた世界が色んな意味で全く別のものに見える、ライター兼一男一女の母。旅行が大好きな夫婦のもとに産まれてきた子どもたちは、2人とも1歳前から何度も飛行機を経験。子どもと一緒のおでかけ時に感じるリアルな声をお届けします。

※2016年11月にいこーよで公開された記事の再掲です。

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