じつは重要!子どもの幼児期の一人遊びは自立への第一歩

周りにお友達がいても、絵本を読んだりブロックをいじったりと、一人遊びをしている我が子。親としては「自分の世界に閉じこもってしまうのでは?」「友達ができないかも…」と心配になったりもします。子どもの一人遊び、どう捉えたらいいのでしょうか? 発達心理学の専門家に聞きました。

子どもにとって、一人遊びとはどのようなもの?

みんなが遊ぶ輪から、自分の子どもが離れて一人で遊んでいると、親としてはちょっと気になりますよね。これは放っておいても大丈夫なのでしょうか?

「結論から言ってしまえば、問題はありません。むしろ、一人遊びは子どもの思考力を育てる上で重要です。

そう話すのは、十文字学園女子大学の特任教授、内田伸子さん。

「一人遊びをしている子どもの表情を、よく観察してみてください。真剣に何か考えていたり楽しそうな表情で遊んでいたりするのではないでしょうか? そういうときは、いろいろなアイディアを試したりストーリーを思い描いたりしながら、自由な自分の世界に集中しています。つまり、一人遊びとは、その子が自分自身の内面世界を広げるためのもの。その子にとって大切な時間と考えていいでしょう。」

なるほど。一人遊びに没頭するとき、子どもの頭と心の中では重要な成長が起こっているのですね。

見守るだけでいいの?こんなときは声かけすべき?

一人遊びを見守るときは、どんなことに配慮すればいいのでしょうか

「例えば、3歳頃の子どもが『平行遊び』をしているときを例にとってみましょう。平行遊びとは、複数の子どもが同じ場所で遊んでいるのに、お互いに関わり合うことなく、個々に一人遊びをしているという状況です。」

「この頃の子どもは自己中心的で周りが見えていないのが普通。そのため、一つのおもちゃをずっと独占して遊んでいることがよくあります。そんなときは、子どもの集中力が緩んだのを見計らって、『お友達が待っているから貸してあげて』などと声かけしてあげてください。」

そうすることで、子どもは「自分以外のお友達がまわりにいるんだ」ということに初めて気づくのだそうです。

小さなうちは一人遊びに集中させて

なお、子どもが「友達と協力して遊ぶ」ことを本当に楽しめるようになるのは、5歳の後半頃から。それまでは、集団で遊んでいるようでも親や保育者にフォローされながらの遊びで、むしろ一人遊びのほうが多いのだとか。

「友達と協力して遊ぶ集団遊びと、自分の内面の世界を広げる一人遊びとでは、遊びの種類がまったく違います。ですから、子どもが一人遊びに集中しているときは介入しないほうがベター。静かに見守ってあげてほしいですね。」

「遊びとは学習である」とも内田さんは話します。一人で遊ぶことも、友達と遊ぶことも、子どもにとって大切な学びなのですね。

一人でブツブツ…つぶやきは考えを整理するプロセス

子どもが一人でブツブツ言いながら遊んでいる様子もよく見かけますが、これは問題ないのでしょうか。

「このひとり言は『集団内独語』といい、おもに4歳過ぎくらいに起こってくる成長のプロセスです。ブツブツ言っているのは、考えていることを声に出しているから。この頃の子どもは、頭の中だけで問題を解決できないため、それをあえて言葉に出して解決の道を探っているのです。」

集団内独語は、どの子も必ず通る道なのだとか。だからまったく心配いりません、と内田さんは話します。

では、気を付けておきたい一人遊びなどはあるのでしょうか?

「例えばシールをずっと貼り続けるとか、漢字や数字を組み合わせることにこだわってずっとカードをいじっているとか。そういった遊びを一日中繰り返している場合には、ちょっと遊び方が単調だと思ったほうがいいかもしれません。なぜなら、子どもは本来、『○○だったらどうなるだろう?』と論理的に考えたり、『こうやったらもっと面白いかもしれない』と推測したりしながら遊ぶ力を持っているからです。」

なるほど。そうした場合は、様子を見ながら遊びが発展するように声をかけてみるのもひとつの対応かもしれません。

自発的な遊びを妨げないことが自立と成長につながる

一人遊びは、子どもの自立の最初のステップとして重要だといわれています。

親が遊ばせるのではなく、子ども自身が面白いなと思って取り組んでいる遊びこそが大切。親から離れ、自分の中に浮かんでくるアイディアを自由に試しながら遊んでいるときは、脳も活性化しています。ですから、そのとき体験したことはすべて、その子の知識、経験として吸収されるでしょう。」

自発的な遊びに没頭することは、その子が一人の人間として育つベースを作ってくれるんですね。また、5歳後半くらいになると、想像力やイメージする力がかなり育ってくるので、一人遊びも高度になるのだとか。

「例えば、絵本を見ながらファンタジーの世界に入り込んだり、想像上の友達と一緒に語り合ったり。そうすることで、思考力や想像力がさらに育っていきます。」

一人遊びもまた、子どもにとっては貴重な人生の体験。子どもの「成長する力」を信じて、笑顔で見守ってあげたいですね。

※参考文献

 

お話を聞いたのは…
内田 伸子さん
十文字学園理事・十文字学園女子大学特任教授。専門分野は発達心理学、認知心理学、保育学。「子育てに「もう遅い」はありません」(冨山房インターナショナル)など著書多数。NHK「おかあさんといっしょ」の番組開発にも携わった。
「子育てに『もう遅い』はありません」

ライター紹介
岡本 有紗
2児と猫3匹を育てるライター。メディカル系専門の広告制作会社でライティングと編集業務を経験後、出産を機にフリーに。得意分野はやはりメディカル系だが、いろいろな分野を経験し幅を広げたいというのが現在の目標。趣味はあえてチープな手段で行く一人旅(休止中)、特技はハモリと絶対音感。

※2016年10月にいこーよで公開された記事の再掲です。

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