正しいお箸の持ち方を子どもに身につけさせる方法

スプーンとフォークを扱えるようになった、「お箸を使いたい」と言い出したなど、子どもが2歳前後になると、我が子にもそろそろお箸を持たせようと考えるお母さんも多いのでは?でも、そもそも箸の持ち方を練習し始めるのはいつがいいの?正しい持ち方を身につけさせる方法とは?など分からないことだらけ。そこで、栄養士として長年保育園に勤務し、お箸指導の経験を持つ長沼よしえさんに伺いました。

始め時はいつ? 最初に与えるお箸とは

スプーンとフォークの「下握りができる」が目安

お箸を使い始めるタイミングは、年齢的には2歳~3歳からがいいそう。しかし、その年齢に達しているからといって、いきなり箸の持ち方を教えても効果がないのだとか。

「小さいお子さんはスプーンとフォークを持つ時に、手のひらを下向きにして握る『上握り』をしていると思いますが。まず、スプーンとフォークを鉛筆を持つように握る『下握り』で持てるようになってからでないと、お箸への移行がしにくいんです。」

「『上握り』をしている時期の子どもは、まだ指先の細かい動きができませんし、そもそもお箸は下から持つものなので、そこから移行していくのが難しいんですね。本格的にお箸の練習を始める前に、スプーンとフォークの『下握り』を練習して、ある程度できるようになってからにすると移行がスムーズです。それから、お子さん自身がお箸を使うことに興味を持ち始めているかどうかも大事ですね。」

ほかに、それぞれの指が独立して動かせるようになっていることもポイント。手でしっかり「チョキ」ができることも、お箸をスタートさせる目安になるそう。

ファーストお箸は「滑りにくさ」を重視

では、実際にお箸を使い始めるとき。巷にはたくさんの幼児用箸が市販されていますが、子どもに最初に与えるお箸はどんなものがいいのでしょうか?

「使いやすいお箸の長さの目安は、子どもの手の親指と人差し指を90度にして『Lの字』を作って、それぞれの指の先端を結んだ長さの1.5倍と言われています。形は、『六角箸』という六角形になっているものが、食べ物を挟んだ時にいちばん滑りにくいです。丸い箸はいちばん滑りやすいので、丸いよりは四角いほうがいいですね。素材は木製をおすすめします。指を入れるリングがついた『エジソンのお箸』、指を置くところが凹んでいる『3点支持箸』というものもあって、それもいいと思います。」

親子で一緒にお箸を見に行って、子どもの気に入ったものを購入するというのもモチベーションを上げるために大切。ただ、子どもは「持ちやすさ」や「滑りにくさ」などを考えず、キャラクターものに走りがちですよね。親の希望している箸を選ばなさそうなときは「こっちとこっち、どっちがいい?」などと、誘導するのも手です。

楽しい食事や遊びから上達へと導く

普段の生活でもできるお箸の練習

お箸の練習は食事の時だけに限りません。普段の生活で手指をよく動かすことによって、格段に上達するそう。

「お箸使いを始めると、食事の時にお箸を使うことばかりに目が行きがちなんですが、それだとお子さんは楽しくお箸を使う習慣が身に付かず、また、すぐには上達しないことから辛さを感じてしまうことがあります。食事の時以外に、ハサミを使ったりジャンケンをしたり、普段の遊びの中で指を動かすことも大切だと思います。そうすることによって、お子さんはいつの間にかそれぞれの指を器用に動かせるようになって、お箸が持ちやすくなりますよ。」

また、お箸で掴みやすいようにおかずをカットしたり、子どもが好きなおかずを献立に取り入れたり、お箸を伸ばしたくなる気持ちを盛り上げる工夫も効果的なのだそう。

間違った持ち方を直すときはお箸の矯正力を活用

せっかくお箸の持ち方を教えたのに、子どもが間違えたまま覚えてしまった場合はどうすればいいのでしょうか?

お箸を1本だけ使って、親指と人差し指と中指で握って動かしてみる、という練習方法があります。それから、前のお話にも出てきました『エジソンのお箸』は、矯正力もあるのでいいと思います。親指、人差し指中指を入れるリングが付いているので分かりやすいですし、指使いを正すことができます。」

すぐにできなくても、根気よく長い目で見てあげることが大切なのだそう。

子どもが大人になって恥ずかしい思いをしないように、正しいお箸の持ち方を身につけさせたいのが親心。でも、「お箸の持ち方、そうじゃないでしょ!」と、あまりうるさく言っていると、子どもにとって食事をすること自体が苦痛になってしまいます。あくまでも「楽しく食事をする」ということを優先して、ゆっくり時間をかけながら子どもにお箸の持ち方を教えていけるといいですね。

お話を聞いたのは…
長沼 よしえさん
栄養士として東京都内の保育園と小学校に16年間勤務し、「楽しく食べる」をモットーに、食育活動に取り組む。2009年、「おうちのごはんの美味しさを伝える活動をしていきたい」という思いから退職。「のぶの台所」を立ち上げ、自宅でカフェと料理・パン教室をスタート。味噌作りやクリスマスケーキ作りなど、親子で参加できるレッスンも人気。
「のぶの台所」ホームページ

ライター紹介
依知川 亜希子
1973年横浜・元町生まれ。映画雑誌のデザイナー、ファッション誌の編集者を経て、フリーランスの編集&ライターに。2012年5月に長男を出産。休日はマイケル・ジャクソンを敬愛する音楽好きな息子(2歳3ヶ月で卒乳)を連れて、公共交通機関を使ってどこまで出かけられるか挑戦中。安心安全な食事、家族旅行、低予算だけど綿素材でかわいい子どもファッション、第2子どうする? について思いをめぐらせる日々。

※2015年3月にいこーよで公開された記事の再掲です。

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