楽しいのに効果抜群!体幹が鍛えられるトランポリン

子どもって、トランポリンが大好き。我が家近くの児童館にありますが、子ども達が列を作るほど人気です。トランポリンは、スキーやスノーボードでジャンプ競技をする人が練習に使っていることもあり、体が鍛えられそうなイメージ。そこで今回は、体操・トランポリン教室で子ども達の指導をしている會田靖さんに、トランポリンを楽しむことで、どんないい影響があるか伺いました。

「飛び跳ねる」と「楽しい」はリンクしている!

そもそも、子どもはどうしてあんなにトランポリンが好きなのでしょうか。

子どもって、楽しいときや嬉しいとき、無意識に飛び跳ねますよね。順番を逆にしても同じで、飛び跳ねることで気持ちがどんどん楽しくなります。笑顔を作っていると、気持ちまで明るくなっていくのと同じです。」

心と体はリンクしているのですね。大人の自分でさえ、トランポリンでジャンプするだけでも、笑顔になりそうです。子どもは素直ですから、「トランポリンでジャンプすると楽しい気持ちになる」が病み付きになってしまうのかもしれません。

初めてでも楽しめるのは大きな特徴ですね。ぴょんぴょんとジャンプするなら誰でもできます。例えば、跳び箱なら『跳べない』というネガティブな感情が生まれがちですが、トランポリンの場合にはありません。ごくたまに『高さが怖い』という子どもがいるくらいでしょうか。」

どうりで、上手になってから楽しみがわかる競技より、好きになりやすいはずです。見学させてもらったトランポリンの練習では、上手な子どもも経験の浅い子どもも、同じように楽しんでいたのが印象的でした。

また、運動が苦手になりがちな太め体型の子どもでも、体が重いぶん沈みやすく、高くジャンプできるそう。他の運動は苦手なのにトランポリンだけは好き、という子どもも多いようです。

体幹が鍛えられたり、他のスポーツで意外な効果も

「まっすぐ高く跳ぶためには、体をまっすぐにして沈まなくてはなりません。柔らかい棒のようなものを想像してもらうとわかりやすいですが、いくら重さがあっても跳ねませんよね。高くジャンプするためには、力が抜けないように姿勢を保たなくてはならず、腹筋や背筋、体幹が鍛えられます。」

會田さん自身、学生時代にトランポリンを始めてから姿勢がよくなったといわれることが増えたのだとか。また、ジャンプをする競技などに必要な「空中感覚」が鍛えられるのもトランポリンの特徴だそうです。

「トランポリンは滞空時間が長いので、空中感覚が高まります。空中感覚とは、空中で自分をコントロールする能力のことで、体操やスキーのモーグル、スノーボード、フィギュアスケートの選手などがトランポリンを練習に取り入れるのはこのためです。それ以外にも、サッカーやバレーボール、バスケットボールなど、跳ぶスポーツならいい影響はあるはずです。転ぶときなどは、周りがスローモーションのように見えますよ。」

子どもが今後どのようなスポーツをするにしても、空間認知能力を高めておくといいことがありそう。さらに、日常生活でも、怪我をしにくいといった効果が見込めそうです。

まずは小さなジャンプから。目線にも注意して

トランポリンを始めるにあたり、コツや注意事項などはあるのでしょうか?

最初はとにかく低く跳ぶことが大切です。その後徐々に高さを付けていきます。また、つい足元を見てしまうのですが、目線は前方か、やや斜め下をキープするようにしてください。そうしないと、姿勢がまっすぐにならないのです。」

「目線を前に」といっても子どもはなかなかできないので、目の前にいる「お母さんを見て」と声をかけてあげるといいそう。

「そのほか、両足の間は肩幅くらいにして、つま先はまっすぐか、やや内向きにします。外向きにすると転倒しやすくなります。つま先などではなく、足の裏全体を付けることも大切です。ジャンプしているときには、手を体の横で大きく円を描くように回すとバランスが取りやすくなります。あとは、膝をまっすぐにすること。陸上の場合には膝を曲げてしゃがんでから跳びますから、初めての子どもにとっては大きな違いです。」

小さくジャンプするところから徐々に慣れてきたら、なにか違った飛び方をしたくなりますよね。

「技に挑戦したくなったら、足をまっすぐ前に出して座るようにおしりを付ける『コシオチ』が最初のステップでしょうか。ジャンプしたら空中で足を開いたり、足を手でタッチするのも楽しいです。」

何人も同時にジャンプする場合には、当然ながら人との接触などに注意すべきとのこと。場所によっては、バネに触らないことや、下に潜り込まないようにするという配慮も必要です。

いろいろな効果はありますが、子ども達を見ていると、とにかく本当に楽しそう! 大変な運動量で体はとても疲れているはずなのに、ずっと続けていたいという気持ちがにじみ出ています。指導員の方が「次は○○やるよ!」と言うと、「きゃあ」「やった」などと喜びの声を上げるのも、他の競技ではなかなかないのでは? 「ジャンプするから楽しい」という本能を、目覚めさせてくれるのでしょうね。

ライター紹介
栃尾 江美
1975年生まれ。コンピュータ会社勤務から、2005年にライターへ。アバンギャルド/WOOTS所属。雑誌や書籍、Web、広告など、ライトな読み物から堅めの記事までこなします。やんちゃな2人の男児がいる4人家族。子どもには、自分が大切にしているものを伝えたいと日々模索中。自然や生き物、本物の音楽や芸術に触れながら育ってくれるといいな。

※こちらは2015年5月にいこーよで公開された記事の再掲です。

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