子どもは自分の分身じゃない!パパ必見の0~6歳年齢別コミュニケーション術

日々仕事が忙しく子どもと接する時間が少ないパパが子どもと二人だけになった際に、いったい何を話していいのか、どう接するといいのか悩んでしまう事が多いようです。そこで、子どもとの上手なコミュニケーション術を、幼稚園教諭で自身も4人の息子を持つパパである、NPO法人ファザーリング・ジャパンのメンバー、久留島太郎さんに教えてもらいました。

0歳〜1歳児には「伝わらないことを当たりまえと考える」べし!

新生児から幼児の始まりの頃のお子さんとのコミュニケーションで大切なことは、「親からの積極的なかかわりに対して子どもが応答しなくても、それが当たり前!」と考えることだそう。良いパパになろうと子供にたくさん話し掛けたり遊ぼうとしてみたり、「こんなにやっているのに何の反応もない!」とやる気を失くしてしまうパパは実際多いようです。

しかし、この時期の子どもはそれが普通です。「そこでイライラしては子どもとの信頼関係構築が難しくなる。積極的にかかわってるのにうまくいかない時には、アプローチの仕方を工夫する。大人側が変わっていくことが必要かと考えます。」

この時期は「大人が受容的でないと子どもが安心できない」という特徴があり、反応が無くても無理に興味を持たせようとするのではなく、子どもの視線の先にあるものに寄り添ってあげることが重要です。

2歳〜3歳児には「嫌なことも全て受け止めてくれるパパ」を目指せ!

個人差はあれど、俗にいう「イヤイヤ期」がスタートするこの年代は「自我が芽生えてきた子どもが、親を『安心してイヤだといえる相手』だと認識する時期とも言い換えることができます。」毎日接するママも辟易してしまうほどの我が子の暴君ぶりに、「『イヤイヤばっかり言わない!』と言ってしまいがちなのですが、そこは一呼吸置いて『そうだよな、嫌だよな』と言いながら抱っこするなり横に座るなりクールダウンの時間を設けてみてください。」

叱りつけたり抑え付けたりして従わせるのではなく、「『子どもも嫌なんだよな、自分でやりたいんだよな』と受け止めながら、子ども自身が自分の力で一歩を踏み出せるようなかかわりが必要になってきます。」日頃接している時間が長いママは、イヤイヤ期のこの時期、なかなか大らかな気持ちではいられないこともあります。『言うは易く行うは難し』ではありますが、ここがパパの忍耐力の見せどころです。

4歳〜6歳児になったら「子どもの自主性や個性」を信じよう!

子ども自身でできることも増え、大体の会話が成立するようになるこの時期、「できるのにやらない」「言ったのにやらない」ということの発生率が急増します。ついこの間まで「できなくて当たりまえ」だったのが、子どもの成長が著しいがゆえに親の期待が上回ってしまうからです。特によその子ができていることができないと親も焦りがちになるものですが、「我が子の個人の成長の過程を親が十分に認めてあげることが、子どもの安心につながります。」とのこと。

この時期になると、保育園や幼稚園といった集団生活が始まり「家の外では、否応なしに他者との比較にさらされる環境」なので、家庭内ではその子自身の「できるようになったこと」に注目してあげ、そこをしっかり褒めてあげるようなコミュニケーションをとりましょう

「よい、わるい」を子供に決めさせるようにする

「この時期、まだやっていいことと悪いことの区別が、しっかりとできていません。子どもが何か叱られるようなことをやった時、やってしまいがちだけれども避けたいのは、『よい、わるいのジャッジを大人がしてしまうこと』です。」

頭ごなしに子どもを叱るのではなく、「パパはこう思うんだけれども、どう思う?』という問いに落としていくことが、子ども自身が「自分で考えて決める』という経験になり、自分で判断して行動するという自信につながるのだそう。

毎日の生活の中で、必ずしも毎回こうした対応をすることは難しいかもしれませんが、休日にパパが子どもとじっくり向き合える時には、「自分で考えて決める」という経験を、ぜひ子どもにさせてみて下さい。

大人が決めた通りにさせて、それがうまくいかないと「パパの言うとおりにやったのに…」と何でも人のせいにする子どもになってしまうこともあるとか。

「大人が決めたとおりにさせることが多いのがこの時期ではあると思いますが、その際には最後までしっかりと一緒にそのことをやり遂げるのが大人の責任です。」

子どもの事を「自分の分身」と思ってはいけません

また、この年代になってくると、親子ともに性別の違いも意識し始めるころでしょう。

「男の子の場合は、かつて男の子だったパパだから共感できることがあるのに対して、女の子の場合は、女の子ではなかったから分からないことがあるのかもしれません。」そんな時に男の子についてはパパの経験値を、女の子についてはママの経験値をうまく使っていけるよう、「あのくらいの年の時、自分たちが考えていたことって何だろう?」と夫婦で日頃からコミュニケーションがとれると理想的です。

ただし、「男の子らしさ」「女の子らしさ」については「保護者が求める男の子像、女の子像」が、子どもにも大きく影響していきます。そのため、「男の子なんだから」「女の子なんだから」という親の思いこみを押しつけすぎず、「その子らしさとは何か」「うちの子は何を考えているのか」という子どもの個性を見極めることが大切になってきます。

NGなのは、子供のことを自分の分身だと考えること。私も自分が早い時期から補助なし自転車に乗っていたし単車も好きなので、息子に自転車などを好きになるよう無理強いして失敗したことがあります…。」と久留島さん。

男女の違いに関係なく、例えば「元気すぎるなと感じたら、家庭の規律を示す。おとなしすぎるかなと感じたら、スキンシップをとりながら活動する楽しさを感じられるようにする」など、パパの観察力と対応力を存分に発揮してください!

子どもと一緒に過ごす時間が少ないパパだからこそ、ママよりも一歩引いた目で子どもを見られたり、冷静でいられたりするもの。それを生かして子どもと接することが、子どもにとっても、ママにとってもメリットとなるようです。

お話を聞いたのは…
久留島 太郎さん
NPO法人ファザーリング・ジャパンのメンバー。私立幼稚園、公立幼稚園、公立小学校の教諭を経て、現在千葉大学教育学部附属幼稚園教諭を務める。また4人の息子の父親としての立場、教諭としての立場、NPO法人タイガーマスク基金理事としての立場、社会的養護を必要とする子どもたちと接する立場から、子どもたちの育つ環境を考えることをフィールドとしている。
NPO法人ファザーリング・ジャパン

ライター紹介
吉田 飛鳥
子どもを持ってからというもの、これまで生きてきた世界が色んな意味で全く別のものに見える、ライター兼一男一女の母。旅行が大好きな夫婦のもとに産まれてきた子どもたちは、2人とも1歳前から何度も飛行機を経験。子どもと一緒のおでかけ時に感じるリアルな声をお届けします。

※こちらは2015年4月にいこーよで公開された記事の再掲です。

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