2歳~5歳:「なぜなに?」は好奇心を伸ばすチャンス!
2~3歳くらいになると、外に対する興味が出てくるようになります。自分と他人、自分の中の世界と外の世界を区別できるようになり、これが好奇心の始まりです。ですから、好奇心はこの頃から伸ばしていくことが大切でしょう。
未来:具体的に生活の中で取り入れられるのはどんなことでしょうか?
ここでは子どもの好奇心を育むための具体的な方法として、2つの秘密道具を紹介します。
秘密道具1:図鑑
なにかに興味を持つためには、まず知識が必要です。単純接触効果や空間的近接といって、人間は知っているものに対して興味を持ちます。反対に、全く知らないものに対しては関心を持ちづらいのです。図鑑は“新発見”の宝庫。眺めているだけでも子どもの好奇心を刺激してくれます。
3歳くらいになると、なぜ?なに?どうして?という質問期が始まりますが、図鑑はこの時期にも最適です。わからないことがあっても本棚に図鑑が並んでいれば一緒に調べることができるうえ、そのこと自体が親子のコミュニケーションになります。
未来:小さな頃からわからないことを調べる習慣が身につけば、後の学習にも役立ちそうですね。
図鑑と学習の親和性はとても高いです。学校に通い始めたとき、図鑑で得た知識があれば、勉強への心理的ハードルがぐっと下がります。最初に勉強の内容がすらすらと理解できると自信に繋がるので、その後の意欲や吸収の度合いも違ってきます。
また、最初は絵や写真を見ているだけでも、次第にそこに書かれている名前や説明も読みたくなり、文字への関心が高まります。図鑑によって、世の中のことを知るために文字を覚えるという本質から学び始めることができるのです。
秘密道具2:虫取り網(図鑑と現実をつなぐ道具)
二つ目の秘密道具は、子どもの興味関心により異なります。図鑑で興味を持ったものと、現実世界とを結びつける道具を探してみましょう。たとえば、昆虫に興味がある子どもには虫取り網、魚が好きなら釣り竿、星が好きなら天体望遠鏡…といった具合です。
前回もお話しましたが、日常生活の中で図鑑(バーチャル)の情報と現実世界(リアル)の体験を結びつける努力をどれだけできるかで、子どもの好奇心の育ち方は変わります。さらに、図鑑の知識と自分の体験が一体になることで記憶も強化されます。
未来:前回、子どもの好奇心を育むためのおすすめとして教えて頂いたアウトドアなどの「自然体験」も、まさにバーチャル→リアルの体験ですね。
その通りです。子どもが伸びた家庭で共通していたことの一つが、子どもが図鑑などで何かに興味を示したときに、すぐに本物を見せに連れて行っていることでした。これを何度も繰り返すことで、子どもの好奇心が育まれます。