海の保育園「うみのこ」が願うことー「あしもとから始めよう」

冬、大きく育ったワカメ
自然体験が子どもの中に自分で考え行動する力を生み出すのではないか? そんな仮定のもと「うみのこ」で大切にしているのは、自然体験を1日だけの特別なイベントではなく、子どもにとって毎日の生活の中におくこと。

海の海藻で遊ぶ子ども。そこにはイカの卵がついていて、お友達に「持って帰るとかわいそうだよ」と諭され海へかえす
象徴的な例の1つが、「うみのこ」もふくめた「そっか」の親子が毎年行う冬の恒例行事「ワカメの養殖」だと小野寺さんは言います。
「地元・小坪漁協のご協力を得て、毎年12月、指先ほどの小さなワカメの赤ちゃんをロープに挟み込むところからワカメの養殖を行っています。ワカメは海水温が冷え込む季節に成長し、3月には200~300kgを収穫します。一般的な 『苗付け体験』 や 『収穫体験』などの1日イベントに参加するのではなく、コミュニティ全体でワカメが育つ過程に関わることができるのが楽しくて。SUPやカヌーで自分たちでワカメの養殖場まで行って、アメフラシの赤ちゃんを駆除したり、間引きなどの世話をしています。もちろん『うみのこ』では、冬の間に何度も、給食にも自分たちで育てたワカメが登場します」(前出・小野寺さん)
大人が環境の大切さをどんなに説いても、子どもに関心がなければ、自然環境について考えるようにはなりません。
「海の波や水や光の中で心が震えるような楽しい体験を重ねてきた子どもたちは、 『海があったかくなって水温が下がらないから今年はなかなかワカメが植えられないね』 と聞けば自然と温暖化に関心が向く。浜に打ち上がった小鯨のお腹から大量のプラスチックが出てくれば、どうしてこういうことが起こるんだろう? 自分にできることは何だろう? と自ら考えるようになります」(前出・小野寺さん)

フランス製の積み木KAPLA
「うみのこ」の室内に用意されているおもちゃは、フランス製の積み木「カプラ」と、先生お手製のおままごと道具、粘土、絵本などと数は多くありません。
それでも、逗子の海や山、里を園庭としている子どもたちを1日取材するなかで、飽きてぼんやりしていたり、指示待ちで手持無沙汰でいる時間を目にすることはありませんでした。
子どもが自分の経験と力で考え行動できる環境を用意してくれる自然という教室の懐の広さを感じます。
この連載では、これから3週間週1回、自然を教室とする「森のようちえん」を紹介します。興味のある方はフェイスブック、Twitterでフォローしていただきますと、更新情報をお届けできます。
【うみのこ】
対象:逗子在住の3〜5歳
活動日:月〜金 8時30分〜4時30分
うみのこ公式サイト
【森のようちえん特集記事一覧】
Part1 デンマーク発の幼児教育「森のようちえん」徹底ガイド 身につく力・保育料等
Part2「森のようちえん」森の中で過ごす1年のカリキュラムと伸びる力
Part3「森のようちえん」の子どもを伸ばす外遊び・公園遊びの方法
Part4 園庭は海「海の保育園」が伸ばす子どもの力とは?(この記事)
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