将来は世界に通じるアーティストになりたい
未来:ウクレレをしていて、一番楽しいと感じるときはどんなときですか?
ウクレレを弾いているときはいつも楽しいですが、これまでで一番胸が熱くなったことの一つに、小学校6年生のときに出場した「ディズニー・ハワイアンコンサート2019」での体験です。大きなホールで3000人のお客さんを前に初めて演奏したときに、鳥肌が立ちました。スポットライトを浴びて、お客さんに喜んでもらえるあの感覚は忘れられないです。
未来:そんな経験をしたら、ステージの魅力にもうハマっちゃいますよね(笑)。反対に、練習などで辛くなったり苦しくなったりすることはありますか?
全くないです。難しい曲にチャレンジするときに、思うようにいかないことはありますが、できなくて悔しいとか練習が嫌になることはありません。ウクレレをしているときはとにかく楽しくて、楽しいから弾いているという感じです。
未来:真剣に打ち込んでいるからこそ苦悩する場面も多いのかと思いましたが、ただただ「楽しい」という気持ちが原動力になっているんですね。
灰野さん(担当プロデューサー):練習方法として、難しい所に根を詰めてチャレンジし続けるというよりかは弾きたい曲があって難しい箇所があったとしたらその箇所は飛ばして、まずは弾いていて楽しい所だけを練習する、そして楽しい楽しいと弾いているうちにいつの間にか難しい部分も弾けるようになっている…というイメージです。
ワークショップなどでもよく話すんですけど、難しいところを無理に一生懸命練習するよりも「楽しい!」と思えるところをひたすら弾く。そうしているうちに、どんどんチャレンジすることが楽しくなってきて、気がついたら難しいところも弾けるようになっています。
未来:やはり「楽しんでやる」ことが、追求心となって繋がっていくんですね。
灰野さん:やりたいと思ったことは、本当になんでもとことんやりますね。彼が今ハマっている「マインクラフト(ゲーム)」も世界ランキングで1位になったらしくて…(ウクレレの)練習をしろって感じなんですけど…(笑)。
未来:世界ランキング1位はすごい! 何か一つのことを追求する力を持っていることは、どんなことにも繋がるというのがよくわかりますね。最後に、将来の夢やこれからチャレンジしてみたいことがあれば教えてください。
将来は、大阪城ホールや東京ドームで演奏できるような世界的プレイヤーになりたいです。ウクレレはまだまだマイナーな楽器なので、もっとたくさんの人にウクレレの魅力を感じてもらえるようなアーティストになりたいです。あとは、歌うことや作曲もやりたいし、ドラムやベースなど色んな楽器に挑戦して音楽の幅を広げていきたいですね。
プロデューサー・灰野さんから見た利樹くん
担当プロデューサーとして普段から利樹くんと接し、本人やご家族のことをよく知る灰野さんにもお話を伺いました。
未来:最初に利樹くんに会ったときの印象を教えてください。
天真爛漫で、すごく自信にみなぎっている子だと思いました。
未来:灰野さんから見て、近藤家はどのようなご家庭ですか?
「やりたいことをやらせる」ということに徹底されているご家庭なんだと思います。ウクレレ一つにしても、「やるなら本物を」という考えでサポートされているのかと。利樹くんが小学生の頃に、本場のウクレレ工房を訪れるために家族でハワイに行かれたこともありました。そこで世界的ウクレレプイヤーのジェイクシマブクロさんに偶然お会いして、直接手ほどきを受けた経験は、彼にとってかけがえのない体験になっていると思います。
とにかく本人の意思を尊重されるので、たとえこれだけウクレレをしていても、本人がもし今日ウクレレをやめて明日から野球をすると言ったら「いいんじゃない?やるなら本気で」と言ってくれるような、そんなご両親だと思います。
未来:子どもの意思を尊重したいと考えていても「結果」に固執してしまう親は多いと思うので、子どもが「夢中になっていること」自体を素直に応援されていらっしゃるのは素晴らしいですね。
すごく子どもを信頼されているんだなと感じます。「勉強しろ」というようなことも一切言われていないと思いますね。「時間を守る」「約束を守る」など、人として最低限のことはできる大人になってほしいというようなことは聞いたことがありますが、あとは本人が好きなように生きるのが一番だと、黙って見守られてるような印象です。子どもを信頼しているからこそできることだと思います。
ウクレレを演奏しているときは、13歳とは思えないパフォーマンス力に圧倒される利樹くん。本当にウクレレが大好きで、「楽しい!」「好き!」という気持ちがすべての原動力となっていることが伝わってきました。「ウクレレを弾け!」という神様の言葉が聞こえたというエピソードが印象的でしたが、これほどまで夢中になれるものを見つけて探求できたのは、利樹くんを信頼し、「結果」よりも本人が夢中になる姿そのものを望み、応援してくれるご両親があってこそ。子育てのヒントになるお話がたくさん聞けたインタビューでした!