親子ではなく親友(おやとも)でいたい
未来:いつも本当に楽しそうに親子で遊んでいる姿が印象的ですが、子育てで大切にされていることはどんなことでしょうか?
大切にしているというより、親になって決めたのは「息子と親友になる」ということです。親友って、どんなに離れてもいつまでも連絡を取り続けるし、誤って道を踏み外しそうになったら自分のことのように本気で怒り、尊敬し合い、高め合える存在じゃないですか。ゆうしくんとは、いつまでもそんな関係でいたいと思っています。
子育ては「子どもを育てる」と書きますが、僕なんかが「育てる」というのはすごくおこがましいと思うんですよ。子どもを育てるのではなく、「子どもと共に育つ」。そう決めてから、親友を喜ばせたい一心で遊びも全力でやるようになりました。
未来:とはいえ、子育てをしていると叱ることが必要な場面もあるかと思いますが、その役割はママが担っているのですか?
奥さんは僕より怒らないですね。僕も怒ることがないし、奥さんも怒らないから本当に誰も怒らない(笑)
未来:すごい! では、もしゆうしんくんがいけないことをしてしまったときは、どうしているのでしょう?
ダメな理由をきちんと説明して、あとは一緒に謝る。叱るよりも解決策を一緒に考えるようなイメージです。たとえば子どもって夜なかなか寝たがりませんよね? そんなとき普通は「早く寝なさい」と言うべきかもしれませんが、僕は寝たくなければ寝なくていいと思うんです。それで寝不足になって本人が翌日しんどい思いをしたら、次は早く寝ようと親が言わなくても勝手に早く寝るようになる。それでいいと思っています。
未来:子育て中はついつい口うるさくしてしまいがちですが、子どもが失敗しながら自力で学んでいくことを大切にされているんですね。最初からそんなふうにうまく見守ることができたのでしょうか?
最初は、口うるさくしてしまっていた時期もありました。でもこれだと子育てが楽しくなくなると思って、あるとき「(口うるさくするのを)やめよう!」と思ったんです。口うるさくして窮屈になるより、楽しく過ごせるかが一番大切だと思ったからです。
未来:ゆうしくんのことは動画を通してしか拝見していませんが、本当にのびのびと育っているのが伝わります。すごく素直ですよね。
そうですね。本当にいい子なんですよね(笑)。こないだも保育園のお友だちが咲いている花を抜いたのを見て衝撃を受けたようで、家に帰ってきてから「やばくない!?」とその話をしてくれて…「なんて真面目なんだ!」と、僕の方が驚いてしまいました(笑)。
だからその真面目さを少しほぐすようにしています。たとえば「もしかしたらその子のお母さんが誕生日で、花をプレゼントしたかったのかもしれないね」というように。
あとは、少し悪いことも覚えさせたくて(笑)、お風呂でお菓子を食べるなど本当にちょっとしたことですが、「ママに内緒だぞ~」と言って2人でお風呂でコソコソしてみたり…。お風呂でチョコレートを食べるのがダメな理由なんてないじゃないですか、誰に迷惑をかけるわけでもないですから。何がいけないことで何がいいのかは、自分の体験の中で理由を考え、自分なりの答えを見つけてくれればいいと思っています。
未来:何事も理由や背景を考えることはすごく大切ですよね。たとえばお花の話であれば、「もしこの花を植えた人がいたら、勝手に抜かれたらすごく悲しい気持ちになるだろう」と想像することがすごく重要なわけで…ただ単にそれ自体を「いけないこと」としてしまうと理由を考えることがなくなってしまう。だから、自分で体感しながら物事の善悪を考えるということはすごく大切なことだと思います!
ゆうしくんと「親友でいたい!」と言うほどに、常に子どもの気持ちを尊重し、フラットな関係を大切にされているのが伝わってきました。のびのびと子どもを見守る理想的な子育てのルーツは、ご自身が育った環境が大きく影響しているようです。森川さん自身は一体どんな風に育ったのか?については 【後編】で詳しくお話を伺います。
続きを読む>パパ芸人・森川やるしかねぇさんが大切にする「変わらない」こと【後編】
1993年10月生まれ。茨城県出身。東京NSC18期を首席で卒業。2017年に相方の樽見ありがてぇさんとお笑いコンビを結成。結成当初は「さかえ」というコンビ名だったが、翌年「ホープマンズ」に改名。2014年に結婚し同年、第一子が誕生。育児生活を記録したYouTubeやinstagramの動画が子育て中のママパパの間で話題を集め、instagramアカウントのフォロワー数は20万人を超えている(2020年10月現在)。