未来:親子で一緒にイチから勉強して起業されたってすごいことですよね! 親子で起業してみて良かったと思うのはどんなことですか?
本人が起業だったり未知の世界を知ることが好きなのはわかっていたので、子どもが楽しそうに好きなことを追究している姿を近くで見られるのは、やっぱり親としてすごくうれしいです。路瑛のおかげで私自身も世界が広がっているので楽しいですね。
仕事を通して、自分にはできないことを我が子はたくさんできるんだと実感できたのもよかったです。それまではどうしても親目線で子どものことを見てしまうところがあったんですよね。人前でプレゼンしたりしている姿を見て、彼は私には持っていない能力があるというのに気が付いたり、自分とは違う一人の人間として純粋に尊敬できたり…そういうことに気が付かせてもらえたことにも感謝しています。
あとは、親子の会話がなくならないことですね。男の子なので年頃になると親との会話がなくなるというようなことも考えていましたが、一緒に仕事しているのでそういったこともありませんでした。
(路瑛さん)「親子起業」という言葉は、僕が最初に名付けたものだと思います。これまでにも親子で一緒に起業するという形はあったと思いますが、言葉としてこれを確立したのは初めてで、じつは商標登録もしています。
親子起業のメリットはたくさんあって、15歳未満でもこの形なら起業することができるし、株主が親子だった場合は株主総会がすぐに開けるので、何かを始めるときに即決してすぐに行動に移すこともできる。僕と同じように小さな頃から何かやりたいと考えている子どもが、年齢などを理由にそれを諦めることがないように、親子起業の魅力はこれからも伝えていきたいと思ってます。また、親子起業の相談も受けています。
未来:これまでのお話でも感じたんですが、お母様は幼少期から路瑛さんの興味を敏感にキャッチして、やりたいことに対して全力でサポートされている印象です。起業のきっかけとなった「ケミストリークエスト」を買ってきたのもお母様ですよね。路瑛さんの興味関心をよく把握されているのは、それだけ親子の会話が多いんでしょうか? コミュニケーションで何か工夫されていたことはありますか?
本人がやりたいことに関してはどんどん言ってくるタイプなので、とくに意識していたことはありません。反対されそうなことでも「とりあえず言ってみよう」という感じで、すぐに言ってくるような子どもでした。路瑛が何かやりたいと言ってきたときに「どうしてやりたいの?」「本当に続けられるの?」という会話はよくしていたと思います。
未来:そのうえで、本当にやりたいと言ったことにチャレンジできる環境を用意されてきたんですね。ほかに子育てで意識していたことや、大切にされていたことはありますか?
物を買い与えるより、なにか「体験」をプレゼントするということは意識していました。周りに引かれるくらい(笑)いろんな体験をさせたと思います。旅行に行って旅先で和紙を作ったり金箔を貼る職業体験をしたり、工場見学や乗馬をしたり…親も楽しいというのもありますが、親子で色々やりましたね。それこそ「いこーよ」(未来へいこーよの姉妹サイト・おでかけ情報メディア)を使って、おでかけしたりしていましたよ!
未来:弊社サイトをご活用頂いていたんですね! うれしいです! ここはぜひ記事にも書かせて頂きます(笑)
これは中学1年生の頃に本人にも種明かしをしたんですが、「○○が欲しい」と言ったものに関しては買わないけど「○○がやりたい」と言ったものは買い与えるというのを意識していました。例えば、ロードバイクを欲しがっていたことがあり、「ロードバイクに乗りたい」と言っていれば買ったかもしれませんが、そのときは「ロードバイクが欲しい」と言われたので買いませんでしたね。
未来:なるほど! たしかにただ欲しいというだけでなく、それで何をしたいのかということが大切ですよね。すごく参考になります! 路瑛くんの希望で、通われていた私立の中学校をやめてオリジナル授業を行うプログレッシブスクールに転入されたとのことですが、そのときは親として葛藤などありませんでしたか?
それはめちゃくちゃありましたね。せっかく受験して入学した私立の中学校をやめるというのはやっぱり…私が決断できずに半年間、彼を引き止めてしまいました。学校に通いながら起業するのは構わないけど、学校をやめて好きなことだけを追究してしまったら、高校や大学に行き、就職をするというような一般的な道にはもう戻ってこれないんじゃないかと…その道から離れてしまう不安もありました。
未来:それでも最終的には路瑛くんの気持ちを尊重して、転入する決断をされたわけですよね?
そうですね、主人は「本人がやりたいように好きにすればいいじゃん」という考えだったこともあるし、当時の学校になかなか登校できない本人の姿を見ていたら何のためにこの学校に行く必要があるのかなという気持ちになり、考え直すようになりました。
あとは職業探求メディアでいろんな方にインタビューする際に私も同行していたんですが、ある経営者の方が「路瑛くんがもしなにかあったときに、助けてくれる大人たちにたくさん出会いな」とお話してくださったことがあったんです。今たくさんお金を稼ぐということよりもいろんな人に出会って、お父さんやお母さんがいなくなってお金も本当にないというような状況のときに、ご飯を食べさせてくれたり住まわせてくれたり助けてくれるような大人と関係やネットワークを作っておくといいよと。
その話を聞いていたときに「路瑛はそれが出来はじめている」と思ったんです。この子は私や主人がいなくなっても、きっと誰かに助けてもらえる力があるんじゃないかなと。そう思ったときに、わざわざ一般的な教育を受ける必要があるのかなと思ったんです。親が教えることはなくなったというか、自分の中で子育てが終わったような気持ちになりました。
未来:子どもが自身の力で生きていけるようになるというのは、まさしく子育てのゴールのような気がします。それを路瑛くんの年齢で感じられるというのは、すごいことですよね! では、路瑛くんの進路やこれからについても、将来こうなってほしいというような希望はとくにありませんか?
そうですね、洗濯物が床に転がっていることを注意したり(笑)生活面で口を出すことはありますが、生き方という部分ではもうとくに何もいうことはありませんね。好きに生きていってくれればいいし、路瑛にはそういう力がもう十分あると思っています。
子育てが終わったように感じていると話すお母様からは、路瑛くんのことを本当に信頼していて、また一人の大人として尊敬しているということがよく伝わってきました。子どもの「やりたい」を一番に尊重し応援されてきたご両親がいたからこそ、「今をあきらめない」生き方を大切に、常にやりたいと思ったことに全力でチャレンジする現在の路瑛さんがあるのだと感じました。
2006年生まれ。高校1年生。株式会社クリスタルロード取締役社長。子どもを理由に「今やりたいこと」をあきらめない社会を目指し12歳のときに起業。子どもの挑戦を応援するメディア運営や講演活動を行いながら、「親子起業」を広めるためその魅力を発信中。現在は自らの課題でもある感覚過敏をテーマに「感覚過敏研究所」を立ち上げ、感覚過敏の啓蒙、商品開発、研究に注力している。
株式会社クリスタルロード公式サイト/https://crystalroad.jp/
感覚過敏研究所公式サイト/https://kabin.life/
加藤路瑛公式Twitter/https://twitter.com/crystalroad2006
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