子どもと一緒に取り組む季節の「手仕事」は、親が子どもへ伝える「生きる力と知恵」であり、生きた時間そのものです。
このコーナーでは、とれたての旬のものや地元食材を使った「農」と「脳」がよろこぶメニューが人気の「のうカフェ」オーナー・小林由紀子さんことコバさんが、季節のものを食卓に並べたいママパパのために、「季節の手仕事」のレシピやコツを紹介します。
6月に挑戦したい手仕事...「梅仕事」
「梅雨入りのニュース」が流れだす6月に挑戦したい手仕事は、「梅仕事」。梅仕事とは、この時期に収穫の最盛期を迎える梅を使って、梅シロップや梅酒、梅干しを作る仕事のことです。

左から「ジップロック×黒糖」「ガラス容器×上白糖」「プラスチック容器×氷砂糖」で漬けた梅シロップ
小さなころにおじいちゃん、おばあちゃんの家で飲んだ梅シロップが忘れられない。家族で梅を漬けるのが年中行事だったというママパパも多いかもしれません。今回は梅仕事の中でも「梅シロップ」の作り方を詳しく紹介します。子どもの頃を思い出しながら、家族で楽しい梅仕事に挑戦しましょう。
※「青梅」は中毒になるので生食はできません
「梅シロップ」の作り方1.梅を手に入れよう

手でそっと持つとポロリと木から採れる梅の実
梅シロップづくりの第一歩は、梅を手に入れることから。コバさんのお家のように庭に梅の木があればいいのですが、なかなかそうはいきません。
梅を手に入れる方法についてコバさんに聞いてみると、「地元の新鮮な食材が並ぶ直売所を探したり、南高梅や白加賀などのブランド梅を有名産地からネット通販で取り寄せたり、この時期に特設されるスーパーマーケットの梅コーナーで手に入れたりして自分好みの梅を探してみるのがいいですよ」とのこと。

コバさんの庭の梅の木で見つけたキアゲハ。梅が育つ環境を体験できるのも「梅狩り」の楽しみです
また、全国には「梅狩り体験」ができる農園もあります。家族で初夏の梅林に出かけて自分で収穫した梅でシロップを漬ければ、忘れられない思い出になりますね。
いずれの方法でも、旬の梅が手に入るのは6月のわずか2週間ほどの短い期間です。早めの手配や購入がおすすめです。
【子ども(小学生)とやってみよう】
梅シロップを親子で作るなら、ぜひ梅選びから一緒にやってみましょう。なぜこの時期だけスーパーマーケットに梅コーナーができるの? 店先にどんな産地の梅が並んでいるの? その産地って日本のどこ? などを話すきっかけになります。
梅シロップには「青梅」を!

もいだばかりの「青梅」。梅は風で実に枝が当たるとすぐに傷ついてしまいます。「お店や通販で購入した梅はどうして傷がないんだろう?」という疑問を持つ子どももいるかもしれません
梅干しには熟して「黄色くなった梅」を!

追熟した梅。あんなに硬かった青梅が数日で追熟し黄色くなります
【子ども(3~5歳)とやってみよう】
ザルやカゴに新聞紙を敷き青梅を乗せて日陰に置いておくと、1~2日で追熟して黄色くなります。ほんの数日で梅の色も硬さも変わってしまう様子は、木からもいだ後でも、果物が追熟することを子どもと観察できるいい機会になります。