季節はすっかり冬。外遊びにも寒い季節になってきました。子どもは風の子、とはいうものの、冷たい風や雪などで外に出るのが大変な天気もありますよね。そこで、幼児期のお子さんが家の中でできる遊びを紹介します。第1回は「ジャンプで楽しく室内エクササイズ」。日本レクリエーション協会の植田さんにお話を伺いました。
運動することで怪我の予防にも
植田さんによれば、運動能力やバランス感覚を伸ばすことは、怪我や事故の予防にもつながるそう。
「小学生の骨折の発生率は約20年で1.7倍に増えています。転んだ時に手をつけなかったり、ボールをとっさに避けきれなかったり、自分の動きをコントロールする能力が低下すると怪我につながってしまいます。例えばバランス感覚が向上すれば転び方も上手になり、怪我を防ぐことができます。遊びや運動を通して、様々な動きを習得する機会を増やしてあげてほしいですね」
最近では小さい子供向けのサッカー教室など専門的なクラブも増えていますが、必ずしも「クラブに入っているから安心」というわけではないようです。
「クラブに通う事自体はいけないことではありません。ただ、試合の勝敗にこだわり過ぎたり、過度な練習をしたりといったケースも見受けられます。特に幼児期から小学校低学年は体全体が成長する時期。サッカーを習っている子もキャッチボールで遊ぶなど、体全体がバランス良く育つよう見てあげるようにしてください」
うまくバランスが取れるかな?「両足回り飛び」
その場でジャンプをしながらターンをするエクササイズ。ジャンプ力とバランス感覚がポイントです。
※怪我を防ぐため、エクササイズを始めるときは力を加減し、慣れるにしたがって徐々に力やスピードを上げていきましょう。
1.リラックスした姿勢で立つ。
2.両足で飛びながら回転する。
最初は4分の1回転からスタートし、慣れてきたら2分の1回転、4分の3回転、1回転と回る角度を増やしていきましょう。反対周りにも挑戦してみてください。回る時はフィギュアスケートの選手のように体をキュッと縮めるとうまく回れます。着地が乱れて倒れないよう、親もサポートしましょう。
カエルのようにジャンプ!「両足たたき」
両手を地面についた状態で、両足をすばやくたたくエクササイズ。バランス感覚だけでなく、両手で体をしっかり支え、すばやい動きができるかが大切です。
1.カエルのような格好で両手両足を地面につきます。手は肩幅、指はしっかり開いて体重を支えましょう。
2.そのまま両足でジャンプして、おしりを浮かせます。
3.慣れてきたら、ジャンプしている間に足の裏で拍手をしましょう。
顔を地面にぶつけないように少しずつ足をあげていきましょう。1回拍手ができたら、回数を増やして2回に挑戦してみます。3回できたらすごい! 大人も一緒に回数を競ってもいいですね。
2人でタイミングよくジャンプ!「せーのでピョン!」
2人で手をつなぎ、そのまま1人が軸になり、もう1人がジャンプをしながら反対側に飛びます。2人でタイミングを合わせるのが大事です。
1.2人で横並びになり、上半身だけを相手のほうに向けて、両手をつなぎます。手をつなぐ時は、飛ぶ側の手が上に、軸になる側が下になるようにしましょう。
2.「せーの!」の掛け声でタイミングを合わせジャンプします。軸になる側は相手を反対側に運ぶように、飛ぶ側は軸になる人の反対側に飛ぶようにします。
3.慣れてきたら、役割を交代してやってみましょう。
親が軸になり、お子さんがジャンプをすると楽しく続きます。腕力で無理に引っ張り上げるのではなく、2人のタイミングを合わせるのがポイントです。横並びの位置からのジャンプになれたら、向かい合わせの位置や背中合わせの位置から同じように手をつなぎ、上半身のひねりを大きくしてやってみましょう。
「できた!」という達成感が大切。
各エクササイズは、やりやすいように回数などを自由にアレンジしても構わないと植田さんは言います。
「回数を変えたり、大人が加減をしたり、お子さんが楽しめるようにアレンジしていただいて構いません。達成度に合わせて点数を競ったり、好きな音楽に合わせて体を動かしたりするのもいいですね」
難しい目標にチャンジするよりも、小さいことから「できた!」という達成感を感じて、体を動かすことを好きになってもらうことが大切と植田さん。寒くて外に出にくい季節でも、体を動かす楽しさを忘れないようにしたいですね。
お話を聞いたのは…
日本レクリエーション協会 植田 尚史さん
公益財団法人日本レクリエーション協会プロデューサー。生涯スポーツ推進に関わる業務を中心に、スポーツ団体の育成支援や、事業開発を担う。スポーツ庁やマスメディア等との 協働による運動プログラムの開発も多数手がける。
ライター紹介
井上 マサキ
1975年生まれ。小学生の娘と保育園の息子を持つ二児の父です。SE時代に会社で男性初の育児休暇を取得。フリーライターに転身後も家事育児を続け「ほぼ主夫」状態に。IT、ネット、スマホが得意分野。路線図が好きで、額縁に入れて飾るほど。
※2015年12月にいこーよで公開された記事の再掲です。
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