小3からのマネー教育!子どもの成長につながるフリマ出店をしてみよう

フリーマーケットといえば、いつも買うのが専門という人が多いのではないでしょうか。ところが、売る経験をしてみると気付くこともたくさんあります。子どもが経験すれば、金銭感覚が身についたり、リサイクルの気持ちが育まれたりといいことがたくさん! そこで、子どもがフリマに出店する際に学べることや、注意点について紹介します。

画像提供:NPO法人キッズフリマ

フリマで買い物したり、親子で一緒に出店した経験がある人はいると思いますが、なんと、売るのも買うのも子ども限定のフリーマーケット「キッズフリマ」が、都内を中心として定期的に開催されているのをご存知でしょうか。NPO法人キッズフリマの高橋迪悠さんに、フリマを通じて子どもが学べることをお伺いしました。

「いくらなら売れそう?」を考える事により金銭感覚を養う

「キッズフリマは、小学3年生から6年生が参加できる子どもだけのフリマです。大人は会場に入らず、外から子どもを見守る、というのが大きな特徴になっています。
子どもが自分で売り買いするという経験を通じて、自立心や自主性を育てていきたいという意図があるんです。」

子ども向けなので、運営側で事前に準備の案内をしたり、当日の収支を記入するシートなどを配ります。また、ものの値段は上限を500円に設定しているのだとか。

「親御さんと家のおもちゃなどを集めて準備していくことで、
どれくらいなら買ってもらえるか?と考えながら金銭感覚を身につけられます。出店料が300円なので、一人で出店すればマイナス300円からスタート。売り上げをシートに記入していって、最終的に利益がどれくらい出たのか考えることで商売の仕組みも学べます。」

つまり、「300円以上売り上げれば利益が出る」と自然とわかるようになっているのですね。また、子どもは、売れる方が嬉しいからとむやみに値引きしてしまいそうですが、「10円にしてただ数をさばいてもあまり儲からない」ということも理解できます。

商品を説明する事を通して、コミュニケーション能力も育まれる

実際にお客さんと接することで、コミュニケーションの能力も磨かれそうですね。

「キッズフリマでは最初に『ありがとうございました』や『いらっしゃいませ』と声を出す練習をします。始まってすぐは緊張していたり、恥ずかしかったりと、なかなか声を出せないお子さんもいますが、徐々に壁がなくなっていき、だんだん上手になっていきます。
頻繁に出店しているお子さんもいて、声をかけたり商品を勧めたりするのがとても上手だなと感じます。そういうお子さんは、売ることよりも、お客さんとのやり取りが楽しくて参加されているようです。」

画像提供:NPO法人キッズフリマ

画像提供:NPO法人キッズフリマ

買う側は小学3年生未満でも大丈夫だそうですが、小さな子が買いに行っても楽しめるのでしょうか?

「親御さんの近くを離れられないような場合は難しいと思いますが、お金を使うのが初めてという未就学のお子さんもいらっしゃいます。お金を数えられないお子さんでも持っているお金を全部見せて『これで買える?』と聞いたり、買ったものをいつの間にかどこかへ置いてきてしまう子どもがいても、周りにいる上級生が助けてあげる場面がよく見られます。」

画像提供:NPO法人キッズフリマ

初めてお金を握りしめてお買い物をする子どもの緊張感を考えると、大冒険のような気がしますね。それを助ける上級生のエピソードもとても温かさを感じます。

リサイクルの心を生活の土台に

「自分が使わなくなったものを、欲しいと思う人がいる、という経験は、ものを大切にする心を育むと思います。
使い終わったら捨てるのではなく、誰かにあげたり売ったりして無駄のない循環型のライフスタイルが自然と身についていくと思います。買う方も、人が使ったものではあるけれど、新品よりずっと安い値段で『譲ってもらう』というありがたさが、体験を通してわかりますよね。」

新品でなくても、使えるものは大事に使うという感覚が身につけば、大人になっても、ものを大切に扱ったり、自分が使っているものも、大事に使ってくれる次の人に引き継いでいこうという感覚が身に付きそうですね。

フリマでの失敗経験も、子どもの成長の一歩

「キッズフリマでは、終わった後にお子さんから感想をもらっています。『高すぎたから売れなかったのかな』と反省している子どももいる一方で、『自分のものが売れて嬉しかった』という声も多いです。たとえ思い通りに売れなかったとしても、いい経験になると思います。」

失敗したと感じても、子どもにとってはかけがえのない経験となることでしょうね。最後に、子供がフリマに出店する際に、注意すべき点はどこでしょうか?

「値段を付けるときには親御さんと相談しながら決めていくと思いますが、
いったん決めたのであればその後は子どもに任せてあげていいのかなと思います。つい、親御さんはお店の外側から『それじゃあ安すぎるんじゃない?』『もっと前に置けば?』などと助言してしまいがちですが、損得ではなくてひとつの経験として任せてあげてもらいたいです。例え親御さんの目から見て損していたとしても、『失敗したなあ』と自分で気づくことが、かけがえのない経験になりますよ。」

親と一緒にフリマを出店するときにも、基本的には同じだそう。キッズフリマと違ってお客さんが大人なので、交渉ではやはり不利。それでも、子どもに任せると決めたら出来るだけ子どもの自主性を信じて、見守るようにしましょう。

金銭感覚だけでなく、物を売ることの難しさや、物を大切にする心など、様々なことを学べるフリーマーケットへの出店。まずは親子で、近所で行われているフリマに出店してみてはいかがでしょうか。

お話を聞いたのは…
高橋 迪悠さん
平成26年4月よりNPO法人キッズフリマの正会員として入会し監事就任。キッズフリーマーケットを中心に、環境や教育をテーマにした子供向けイベントを企画運営。
公式サイト

ライター紹介
栃尾 江美
1975年生まれ。コンピュータ会社勤務から、2005年にライターへ。アバンギャルド/WOOTS所属。雑誌や書籍、Web、広告など、ライトな読み物から堅めの記事までこなします。やんちゃな2人の男児がいる4人家族。子どもには、自分が大切にしているものを伝えたいと日々模索中。自然や生き物、本物の音楽や芸術に触れながら育ってくれるといいな。

※2015年3月にいこーよで公開された記事の再掲です。

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