暑い夏もそろそろ終わりに近づき、疲れも出てくる頃。しっかりと体調を整えて、新学期を迎えたいですよね。今回は、夏バテ気味の体によく効く、食欲がなくても食べやすい簡単レシピを管理栄養士の大坪さやかさんに伺いました。
夏の終わり、疲れがたまるのはどうして?
暑い日が続くと、疲れがどんどんたまっている感じがするのはなぜでしょう。
「暑くて食欲がなくなると、食べやすいもの、冷たいものなどを多く摂ってしまいがちですよね。すると知らないうちに栄養バランスが崩れてしまうのです。栄養をしっかり摂っていないと、おなかを壊したり、疲れがとれなかったりと、体調も悪くなってしまいます。」
疲れの解消には、栄養のあるものをたくさん食べることが大切だと大坪さん。なかでも、クエン酸やビタミンB1は疲労回復に効果があるそうです。
「身体を動かすエネルギーを生み出すには、糖質をエネルギーにかえてくれるビタミンB群やクエン酸が必要です。これらが不足することで、活動に必要なエネルギーが生み出せなくなるため疲労もたまり、夏バテになってしまうというわけです。」
中でも、クエン酸を多く含むレモンなどの柑橘類や酢、梅干などの酸味は、唾液や胃液の分泌が多くなるため食欲増進にもつながり、夏バテ解消に効果的だということです。
子どもが苦手な酸味、経験を重ねれば好きになる!?
しっかり食べて元気な体を取り戻したいこの時期、子どもにも栄養のあるものを食べてほしいですよね。普段の食事に、疲労回復効果のあるクエン酸やビタミンB1を取り入れていきたいところ。でも、クエン酸の特徴である「すっぱいもの」が苦手なお子さんも多いのではないでしょうか。
「味覚には、甘味、酸味、塩味、苦味、うま味があります。赤ちゃんや小さなお子さんの場合、おいしいと感じる甘味、塩味、うま味は受け入れやすいですが、酸味や苦味は苦手です。これは、本能的に嫌がっているからなのです。」
では、小さなうちは与えないほうがよいのでしょうか。
「苦手だから食べさせない、というのはオススメできません。これらの味は、経験を重ねることで好きになっていくもの。食べやすくなるような工夫をして、どんどん経験させてあげることが大切です。」
酸味の強いものには砂糖をプラスしたり、好きな味と組み合わせたりと、いろいろな味を経験させてあげましょう。そうすることで、苦手なものも食べられるようになるそうです。
今回は、夏バテ解消にクエン酸とビタミンB1を使ったレシピをご紹介します。酸味をおいしく経験できるので、ぜひお子さんと一緒に作ってみてください。
◆鮭ときゅうりのちらし寿司
材料(6人分) ( )内は4人分の分量です。
- 米・・・3合 (2合)
- 鮭・・・3切れ (2切れ)
- きゅうり・・・1本 (2分の1本)
- ごま・・・大さじ2 (大さじ1と2分の1)
- 寿司酢・・・大さじ6 <大さじ4> (大さじ6の場合、塩小さじ1と2分の1、砂糖大さじ3、酢大さじ4でも代用できます。)
<作り方>
1.鮭に塩をふっておく。
2.お米を洗い、水加減を少なくしてかために炊く。
3.きゅうりを半月切りにする。
4.鮭の水気をキッチンペーパーでふき取る。
5.フライパンに少量の油を入れ、鮭を両面焼く。
6.鮭が冷めたら、皮と骨を取り除き、身をほぐす。
7.ごはんを寿司桶に移し、熱いうちに寿司酢をかけ、うちわであおぎながら切るように混ぜる。
8.鮭、きゅうり、ごまを加えてさらに混ぜる。
【ワンポイントアドバイス】
寿司桶がなければ、大きめのボウルなどでもOKです。きゅうりは輪切りより、子どもが切りやすい半月切りで。最後にお好みで、のりや錦糸玉子を添えると彩りもよくなります。酢にはクエン酸が、鮭とごまにはビタミンB1が含まれています。
◆グレープフルーツサラダ
材料(4人分)
- グレープフルーツ…2分の1個
- アボカド…1個
- プチトマト…10個くらい
- 塩…少々
- こしょう…少々
- オリーブオイル…大さじ1
<作り方>
1.プチトマトはヘタをとり、洗って横半分に切る。
2.アボカドは種に沿って縦に一周包丁を入れて、両手をねじって2つに分け、スプーンで種を取り除く。
3.手で皮をむき1口サイズに切る。
4.グレープフルーツの実をスプーンでとり、果汁も一緒にボウルに入れる。
5.4にプチトマト、アボカド、塩、こしょう、オリーブオイルを入れて、混ぜあわせる。
【ワンポイントアドバイス】
プチトマトは、横に切ると切り口がきれいです。グレープフルーツは薄皮の横にうまくスプーンを入れるときれいに取り出せます。グレープフルーツとアボカドは相性バッチリですよ。グレープフルーツにはクエン酸が、アボカドにはビタミンB1が含まれています。
◆白玉団子のレモンシロップかけ
材料(4人分)
- 白玉粉…150g
- 絹ごし豆腐…150g
- レモン…1個(レモン汁大さじ2)
- 砂糖…大さじ4
- 水…100ml
<作り方>
1.レモンはよく洗い、半分に切って汁を絞る。
2.鍋にレモン汁、砂糖、水を入れて、砂糖が溶けるまで加熱して火を止める。
3.ボウルに豆腐を入れてつぶし、白玉粉を加えてよくこねる。耳たぶの柔らかさになるまで水を入れて調整する。
4.同じくらいの大きさにまるめ、沸騰したお湯に入れゆでる。
5.団子が浮いて1分くらいたったら、冷水にとる。
6.器に白玉団子を盛り付け、2のレモンシロップをかける。お好みでフルーツをそえてもOK。
【ワンポイントアドバイス】
木綿豆腐よりも絹ごし豆腐のほうがビタミンB1が多く、仕上がりもなめらかです。 豆腐は水切りしなくてOK。子どもが大好きなお団子作り、親子で楽しく作業できます。レモンには疲労回復に効果があるクエン酸が多く含まれています。このレモンシロップですが、ヨーグルトやホットケーキなど、他のメニューにも使えるのでとても便利です。
すっぱいものや野菜が苦手なお子さんも、自分で楽しく作った料理だったら食べられるかも。見た目もかわいく、簡単に作れるレシピ、ぜひ挑戦してみてくださいね。夏の疲れが出てくるこの時期、クエン酸とビタミンB1をしっかり摂って、体調バッチリで新学期を迎えましょう!
お話を聞いたのは…
大坪 さやかさん
管理栄養士。和歌山市出身。同志社女子大学卒業後、保健所、健診機関、少年院で献立作成、食事相談、料理教室等の管理栄養士業務に9年携わる。日本で唯一、少年院で食育経験がある栄養教諭免許保持者。「こどもの健康を考える管理栄養士」として、現在は小学校で学校栄養士として働きながら、自宅(大阪府)で料理教室、食事相談などを行っている。
こどもだけの料理教室 ゆめつぼ公式サイト
ライター紹介
飯田 友美
出版社、編集プロダクション勤務を経て、フリーランスのライターに。好きなものは猫とパンダ、趣味はライブに行くこと、お芝居を観ること。杉並区在住。2児の母。
※2016年8月にいこーよで公開された記事の再掲です。
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