成長に合わせて親も変化を! 年齢別で見る叱り方のポイント

育児の悩みNO.1と言われる「子どもの叱り方」。一言で「叱り方」と言っても、子どもの年齢によって効果的な方法は違ってきそうです。そこで、子どもの発達に合わせた効果的な叱り方について専門家に聞きました。

すべての年齢に共通する叱り方のポイントは2つ

発達によって、叱ったときの反応も違ってくる子ども。やはり、成長の度合いに合わせて叱り方を変えたほうがよいのでしょうか。

「まず、子どもを叱る上で意識しておいてほしい2つのポイントがあります。それが『長時間叱らない』『叱る理由を端的にわかりやすい言葉で伝える』ことです。」

こう答えてくれたのは、谷町こどもセンター(大阪市)で所長を務める、臨床心理士の日下紀子さん。

「長い時間ガミガミと叱られていると、子どもはそもそも何について叱られているのかがわからなくなります。さらに、印象として残るのは『苦痛だった』『怖かった』ということだけに…。これでは、叱っても子どものためになりませんし、ママも無駄なエネルギーを使うことになってしまいます。」

つまり、子どもには短く、わかりやすい言葉で叱ることが大切なのだそう。

「このポイントを押さえた上で、子どもの発達度合いに合わせた叱り方をすれば、子どもも聞き入れやすくなると思いますよ。」

そこで、子どもの年齢に合わせた効果的な叱り方について、具体的に教えてもらいました。

0歳〜1歳児は、叱らないでいい環境づくりから

「0歳から1歳の頃は、目に映るものすべてに興味津々で、『これは何だろう?』と、なんでも手に取って口に入れ、確かめようとする時期です。何が良い、悪いという善悪の区別がまだついていない上、言葉の意味もまだ理解が難しい時期ですから、叱るときは『ダメ! 危ないよ!』など、短い言葉で伝えるのが大切です。」

「危ない」という言葉の意味はわからないけれど、伝え続ければ少しずつ理解が進んでいくので、短くても叱る理由は伝えた方がいいそうです。

「とはいえ、何にでも触りたがったり、手に取ったものを口に持っていくのは『知りたい!』という純粋な好奇心。成長には不可欠な欲求なので、あまり押さえつけないことが大事です。ですから、基本的には叱るよりも、危険がないように子どもの周りの環境を整備してあげてほしいですね。」

2歳児はまず気持ちを受け止めて

「2歳くらいになると、言葉の理解力も進み、何をしたら叱られるのかが少しずつわかってきます。でも、どうしてそれをしてはいけないのか、理由はまだわかりませんし、自分の気持ちを言葉で表現するのも、まだ得意ではありません。」

「さらに、食べ物やおもちゃの好みなど個性が出てくるのもこの頃。自分の気持ちを主張したいという気持ちが強いので、『ダメ!』と言われると泣いたり、かんしゃくを起こしたりしやすい時期でもあります。」

そのため、「ダメ!」と言われて泣き出したときは、いったん抱っこしたり、手を握ってあげたりして、気持ちを落ち着かせることが大事だそう。その上で、「これで遊びたかったんだよね」「自分でしたかったんだよね」など、まずは子どもの気持ちをママが代弁し、受け止めてあげることが大切だと言います。

「『こうしたい!』という子どもの気持ちを受け止めてあげれば、『ママは自分のことをわかってくれている』と感じ、気持ちが落ち着いてきます。落ち着いてから『でも、○○だから、こういうことをしたらいけないんだよ』と理由を伝えれば、子どももママの言葉を素直に聞き入れやすくなります。」

主張が強くなる一方で、感情のコントロールがまだ追いつかない時期だからこそ、気持ちを受け止め落ち着かせてから話すのがポイントですね。

傷つきやすい3歳児はきつく叱りすぎないこと

「いろんなことをやってみたいけれど、うまくできないこともあるとわかってくるのが3歳頃です。うまくできないことから、悔しい、悲しいといった感情も芽生えてくるので、傷つきやすい年齢でもあります。ですから『ダメ!』という第一声も、できればきつくなりすぎないような口調で言ってあげると良いですね。」

また、時間の感覚や先の見通しが少しずつわかってくるのもこの時期なのだそう。

「『○時には家を出ないと、幼稚園に間に合わないんだよ』『これを触ったら手が挟まって痛いんだよ』など、『こうしたらこうなる』ということを伝えると、理解できるようになっていきます。」

ただし、この時期からは、叱り方にも一貫性が求められます。

「同じことをしても、叱られるときと叱られないときがあるという状況は、いつ叱られるのかわからないので見通しが立たなくて不安です。何が悪いのかもわからなくなるので、ママも『絶対に譲れない』というポイントはブレないでいてくださいね。」

4歳児は人前で叱っちゃダメ!?

「自分以外の人にも気持ちがある。つまり、他者を認識できるようになるのが4歳頃。そのため、思いやりの気持ちなどが生まれてくると同時に、見栄やプライドも顔をのぞかせる時期です。」

恥をかきたくないという気持ちが出てくるので、人前で大きな声で叱るのはあまり良くないのだそう。

「みんなの注目が集まるような叱り方をすると、恥ずかしさからふざけてごまかそうとしたりして、ママの話をちゃんと聞いてくれないことも…。『ダメ!』という第一声は人前で言っても良いですが、どうしてダメなのかなどの理由は、少し時間差があってもいいので、ママと2人きりになってから伝えた方がいいですね。」

人目が気になり始めるということは、社会性が育ってきた証。叱り方にも、配慮が必要になってくるのですね。

5歳〜6歳児は、理由をちゃんと聞いてあげる

「善悪の区別がしっかりとつき、悪いことをしたときは、『悪いことをしちゃった』とちゃんと理解しているのが5歳〜6歳の子どもです。」

善悪の区別がついているのに悪いことをしてしまうのは、子どもなりに理由があるから。そのため、まずは『どうしてこんなことをしちゃったの?』と理由を聞いてあげることが大切です。

「そうして子どもの言い分を聞いてから『なるほど。でも、こうしたらこうなるよね』と間違ったところを教えてあげれば、子どもも何がいけなかったのかを理解していけると思います。『こうすれば良かったんじゃない?』などのアドバイスも学びにつながる時期ですよ。」

また、善悪の区別はついているけれど、「ここまでやってはいけない」という境界線はわかりかねる時期でもあるそう。「やりすぎ」のボーダーラインもこの頃に教えていくと理解が進むそうです。

成長に合わせた叱り方のポイントを押さえれば、「どうしてわからないの!?」というママのイライラも、少し解消されそうですね。

★この記事のポイント

  • 子どもを叱るときは『長時間叱らない』『叱る理由を端的に伝える』が重要。
  • 0歳〜1歳:叱らない環境づくりを。短い言葉で叱る
  • 2歳:気持ちを受け止め落ち着かせてから話す
  • 3歳:キツくなりすぎない叱り方、一貫性ある叱り方を心がける
  • 4歳:子どものプライドを傷つけないよう、1人のときに叱る
  • 5歳〜6歳:理由を聞いた上でアドバイスを。やりすぎの境界を明確に

お話を聞いたのは…
日下 紀子さん
臨床心理士。教育学博士。精神科の診療所で臨床心理士として活躍後、親子のカウンセリングを行う「谷町こどもセンター」(大阪市)へ入所。現在は所長として、12名の臨床心理士と共に、日々親子の成長をサポートしている。
谷町こどもセンター

ライター紹介
近藤 浩己
1974年生まれ。ライターズオフィス「おふぃす・ともとも」のライター。トラック運転手からネイルアーティストまでさまざまな職を経験。しかし幼い頃から夢だった「書くことを仕事にしたい!」という思いが捨てきれずライターに。美容・ファッション系ライティングが得意だが、野球と柔道も好き。一児の母。

※2017年3月にいこーよで公開された記事の再掲です。

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