書き取りだけではNG! 子どもを国語嫌いにさせない漢字学習法

学校から宿題で出される漢字の書き取りを負担に感じる子どもは多いもの。「書き取り=大変な作業」と、漢字に対して苦手意識を持ってしまうこともあるようです。そこで、教育評論家の親野智可等さんに、漢字をストレスなく覚える方法と親ができるサポート方法を教えていただきました。

漢字の書き取りは体に覚えさせるために必要!

小学校1年生で習う漢字は80字で、2年生はその倍の160字です。3年生と4年生が200字で一番多く、以降は少し減って5年生で185字、6年生で181字です。また、学年が上がるにつれて、習う漢字の画数が増え、読み方も複雑になっていくもの。これはよく考えてみれば大変なことです。

「大人で毎年新しい漢字をこれだけ覚える人はまずいません。私もここ1年間で新しく書けるようになった漢字は…1つもありません。子どもたちにとっても漢字の学習はかなりの負担です。親も先生も『漢字をちゃんと覚えなさい』と気軽に言いますが、そんなに簡単にはいかないものです」

漢字の学習=ドリルや書き取りノートで繰り返し漢字を書くことが基本ですが、文字を覚えるには、やはり書くことが大切とのことです。

書くことで体に漢字を覚えこませることができます。日記や作文を書くときに、学校で習った漢字をできるだけ使って書くようにさせてみてください。書いたあとは、声に出して読ませると、より体に染み込むと思います。漢字は読み方を先に覚えるほうが書き方の覚えも早くなります」

上手く書くことよりも漢字を使えたことを褒めよう!

このときに大切なのは、もし文字が間違ったり汚かったりしても、まずは漢字を書こうとしたことを褒めること。漢字を書くことが「楽しい」と思える工夫が必要です。

「親も先生も、子どもが漢字を覚えないと叱り、文章を書くときに習った漢字を使わないとまた叱り、文字が雑だからといって、さらに叱りがちです。ですが、これはすべて逆効果です。叱られることが多いと、子どもは『漢字ってつまらない』と感じるようになり、苦手意識ができるとますます苦手になってしまいます

また、習ったことをうっかり忘れている、習ったが漢字を覚えていない、漢字よりひらがなの方が楽などの理由で、子どもは漢字を使わないことが多いそう。

「小学校1年生では、たくさん漢字を習っていないので、それほど気にならないかもしれませんが、2年生以上になると、親が『習った漢字を使わなきゃダメでしょ』という回数が増えしまうかと思います。否定的な言い方では子どものやる気を高めることはできません。何事でもそうですが、効果があるのは、常に否定でなく肯定です

子どもが無理なく漢字を使える工夫を!

子どもが漢字に苦手意識を持っている場合は、漢字を使ったらほめることを徹底すると効果があるそう! 具体的に家庭での漢字学習をサポートするアイディアを教えてもらいました。

1.漢字を使うごとに点数を加算する

「日記・作文・ノートなど、子どもが書いたものを見たときに、漢字には一つひとつ丸をつけていきます。そして、数を数えて点数をつけます。点の付け方はケース・バイ・ケースですが、漢字を1つ使ったら5点として、15個使っていたら75点、20個で100点、25個なら125点などとします」

赤鉛筆などで『漢字125点』と褒めることで勉強を楽しく感じ、漢字を使うきっかけにつながります。難しい漢字を使っていたり、とくにキレイに書けた漢字があったりしたら、それに花丸をつけるのもいいでしょう。その点数を元に褒め続けると、自然と使う漢字が増えて、ていねいに書けるようになりますよ」

2.漢字の書き取りテストをする

漢字の書き取りは、小テストをするのも一つの手のようです。

子どもが書き取りする前に、『今日やる中から5つテストするよ』と言っておきます。もっとピンポイントに、『この中から3つはあとでテストするよ』というと、より子どもが集中して覚えやすくなると思います。段々と数を増やしていけば、ゲーム感覚で覚えられると思います」

3.漢字を使うメリットをわかりやすく教える

また、漢字を使うことのメリットを子ども自身に実感してもらうことも大切です。

「ある先生が同じ内容の作文で、ひらがなばかりのものと漢字をたくさん使ったものを見せて『どう思う?』と聞くと、子どもたちは『ひらがなばかりのものは1年生の作文みたい』、『漢字がたくさん使ってあるほうが読みやすい』『漢字をたくさん使ってあるほうが、頭が良さそう』と答えたようです」

この授業をしたあと、子どもたちが漢字を使う率は格段に上がったそうです。

漢字嫌いの子どもに楽しさを感じてもらうには?

直接的なことと同時に、漢字自体に興味を持たせて好きにさせることも大事なことです。興味をもって好きになれば、漢字を使う回数は増えます。好きにさせるためには、楽しみながら漢字に親しむ機会を増やすのが一番いい方法のようです。

「漢字カルタで遊ぶ、漢字の成り立ちをテーマにした学習漫画を読む、漢字クイズを楽しむ、ゲーム機で漢字ゲームをする、子どもが興味を持つ面白そうな漢字ドリルを買ってあげる…などです。また、小学生新聞や学習漫画などのように、漢字にふりがながついているものをたくさん読むようにするのも効果的です」

「さらには、野球が好きな子はプロ野球選手の名前の漢字を見せたり、電車が好きな子は駅名を見せたり、魚が好きな子には魚へんがつく漢字一覧を見せたりすることなどもよいかと思います。子どもの好きなもの、興味・関心があるものと関連付けて漢字にふれさせてみると苦手意識がなくなり、自分から進んで漢字の読み書きを覚えてくれるかもしれません」

漢字が好きになれば、国語の成績も上がりそうです。子どもだけに努力をさせるのではなく、親も一緒になって、漢字が好きになる環境づくりに励んでみてください。

お話を聞いたのは…
親野智 可等さん
公立小学校で23年間教師を務め、現在は教育評論家として、全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村で教育講演会を開催。
ブログ「親力講座」、ツイッター、メルマガなどで発信中。著書も多数。
親野智可等さん公式サイト「親力」

ライター紹介
宮平 なつき
フリーライター。美容、健康、ダイエット、恋愛、結婚、子育て、教育、インテリアなど、“女性のライフスタイル”にまつわる記事や著名人のインタビュー記事を主に執筆。趣味は、スポーツ観戦と旅行。最近の最も気になることは、甥と姪の成長。

※2017年7月にいこーよで公開された記事の再掲です。

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