兄弟喧嘩は子どもを成長させるチャンス! 正しい対処法も紹介

気の置けないきょうだいと一緒に仲良く遊んでいるうちはいいものの、それが発展して兄弟喧嘩になるのが常。親にとってはあまりうれしくない事態ですが、実は兄弟喧嘩を通して得られるものは多いのだそう。そこで、10人のお子さんを産んだ、ばぶばぶ助産院院長のHISAKO先生にお話を聞きました。

兄弟喧嘩は子供のストレス発散方法。社会性を学ぶ場にも

親としてはきょうだい仲良くしてもらいたいもの。日々、兄弟喧嘩を繰り返していると心配になるものですが、頻繁に兄弟喧嘩を繰り返していても、きょうだい関係にヒビが入ることはないのでしょうか?

「子供にとっての兄弟喧嘩は、親が思っているほど重大な心の傷を残すようなものではありません。むしろ容赦のない兄弟喧嘩は、子供のストレス発散にもひと役買っているように思います」とHISAKO先生。

確かに手加減なしの喧嘩は、相手が親やお友達ではなかなかできるものではありませんね。

「どんなに激しい喧嘩を繰り返しても、泣かされても痛い思いをしても、次の瞬間には楽しそうに一緒に遊んでいるから不思議です。きょうだいが近くにいればまたすぐ喧嘩になるんだから距離を置けばいいのに…、と大人は思うのですが、『喧嘩するほど仲がいい』ということなのでしょうね。」

HISAKO先生いわく「兄弟喧嘩は子どもが社会性を身につける絶好のチャンス」。我慢や妥協、なんでも思い通りにはいかない理不尽さなどを学ぶことで、生きていく上で必要な基本的なコミュニケーション能力を自然に身につけられるのも兄弟喧嘩の大きなメリットですね。

親は誰が悪いと決めつけずなりゆきを見守るのが大切

メリットが大きいと知っても、兄弟喧嘩が始まれば「やめなさい!」と止めたくなるのが親心。親はどのように対処するのがいいのでしょうか?

「兄弟喧嘩の原因は、たいてい些細なことです。親が喧嘩の一部始終を観察できることなどそうないですし、喧嘩になった経緯もよく分かっていないのに、頭ごなしに『誰が悪い』と決めつけてしまうのはよくないですよね。喧嘩両成敗と言いますが、どっちもどっち、なことも多いです。大ケガにつながるような事態にならない限り、親は基本的に傍観者でいいのではないでしょうか」とHISAKO先生。

しかし、兄弟喧嘩が勃発すると、「◯◯が叩いた!」「××がおもちゃ取った!」と子供たちはそれぞれの言い分を親に言いつけやって来るもの。そんな時はどう対応すればよいのでしょうか。

「子供が言いつけに来た時は無視したり無関心を装うのではなく、まずはそれぞれの言い分に『そうなんだ〜』と共感してから、『じゃあどうしたらいいか考えてみて』と促します。兄弟喧嘩は、どっちが正しくどっちが間違い、勝ち負けを裁くものではありません。あくまでコミュニケーション能力を磨くいい機会だと思って親はおおらかに成り行きを見守りましょう。」

喧嘩のルールを決めて、破った時は厳しく叱る

ただし、あくまで「見守る」のが大切なのであって、ケガの危険がある状況を「放置」するのはNGです。

「ケガを予防するためには喧嘩をさせないようにするのではなくて、『凶器となるものを持ち出さない』『噛まない』『顔は叩かない』など、『ここまではしてもいいけど、ここからはダメ』という喧嘩時のルールを子供たちと一緒に決めておくといいと思います。」

「そして子供たちが喧嘩のルールを破った場合にのみ親が参入し、厳しく叱る。上の子であれ下の子であれ、ひいきはしません。年齢は関係なく、一貫した態度で臨んでください。」

喧嘩の後に子供の気持ちをフォローする

そして、兄弟喧嘩がひと段落した時にこそ、いよいよ親の出番が訪れるのだそう。

「子供たちにも体力の限界がありますから、そのうち怒りのテンションも落ちてきます。ちょっと冷静になってきたタイミングを見計らい、それぞれの言い分を端的にまとめ代弁してあげるとよいと思います。どちらが悪い、どちらが正しい、ではなく、『ママはあなたの気持ち、わかってるよ』とそれぞれの子供の言い分を認めてあげる。それだけで子供の気持ちは落ち着くと思いますよ。

親にとっては悩みのタネである兄弟喧嘩ですが、「喧嘩するほど仲がいい」を胸に刻み、子供たちの成長をゆったりした心で見守りたいものですね。

お話を聞いたのは…
HISAKOさん
『助産院ばぶばぶ』院長。10人産んだ子だくさんママ。
総合病院小児科・産婦人科・NICU病棟で助産師としての経験を積む。5人を年子で出産した後『助産院ばぶばぶ』を大阪市阿倍野区に開院。妊産婦のケアを行うかたわら、NHK総合テレビでも放映された「いのちの授業」ほか、政府や県庁からの依頼を受け全国で講演活動を行う。著書に『10人産んだスーパー助産師のストレスゼロで続けられる!母乳育児の本』(すばる舎)、『9人産んじゃいました』(幻冬舎エデュケーション)、『みんな違っていいやん』(角川書店)。
「助産院ばぶばぶ」ホームページ

ライター紹介
青柳 直子
ライター暦16年。神戸生まれ・育ち・在住のアラフォー世代。芸能・インタビュー、舞台・コンサートレポをメインに、子育て関連、街取材まで“守備範囲を広く”がモットー。小学1年生の長男、1歳の長女、ヨーゼフ(ハイジの犬)似の夫+猫2匹と、毎日てんやわんやな暮らしぶり。娘が歩けるようになったのを機に、家族キャンプ再デビューを計画中。

※2016年4月にいこーよで公開された記事の再掲です。

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