今回取材したのは、福島県在住の中学1年生で発明家の関本 創(せきもと あらた)くん。便利グッズの開発や本の出版など、小学生の頃からマルチな活躍を見せる創くんとお母様に取材し、多才な活動の裏側についてお話を聞きました。
人の役に立つものを作りたい!
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未来:今年100円ショップ「Can★Do」から販売された「ドライヘルパー」が話題ですが、この商品を開発された経緯を教えてください。
これは小学3年生のときに、夏休みの宿題で発明に挑戦したのが始まりです。もともと工作やモノづくりが好きで、せっかくなら誰かの役に立つものを作りたいと思いました。お母さんになにか困っていることはないか聞いてみたら、洗濯でバスタオルの乾きが遅いことが悩みだと言っていて…それで洗濯物が速く乾くアイテムを作ろうと考えました。
未来:問題を解決するためのアイテムを作り出すというのは、まさに企業が行う商品開発と同じですよね。ドライヘルパーは洗濯物に空洞を作って空気の通りを良くするアイテムですが、このアイデアはすぐに思いついたんですか?
風通しを良くすれば速く乾くだろうというのはすぐに思いつきましたが、それを実現するのは難しかったです。最初はペットボトルの両端をカットしたものに切り込みを入れてハンガーにはめたり、子どもが水遊びのときに腕に着けるアームリングを使ったりしたのですが、どれもかさばってしまうというのが課題でした。
取り外しができて未使用時にかさばらない形にしたくて、いくつか試作品を作り今の形に辿り着きました。
未来:たしかにこのドライヘルパーは、収納にも便利なのが魅力ですよね。夏休みの自由工作として作ったこのアイテムで、特許をとろうと思ったのはなぜですか?
夏休みに1カ月かけて試行錯誤しながら作ったものということもあり、記念になればと両親が勧めてくれました。それ以前に新聞で、小学生が発明した作品(作った発明品)で特許をとったという記事を読んだことがあり、自分も挑戦してみたいと思いました。
未来:その後、さまざまな改良を重ねて「物干し補助具」の特許を取得されたそうですが、こうして実用化されているのは本当にすごいです!
洗濯の悩みを抱えていたお母さんが、今も実際に使ってくれているのでうれしいです。同じ悩みを抱えているたくさんの人に使ってもらえたら、さらにうれしいですね。
未来:創くんは他にもさまざまな商品を制作、販売されていますよね。商品開発やモノづくりは、どんなところが楽しいですか?
頭の中にイメージしたものを形にしていく作業です。家にあるもので使えそうなものを探して、どうやって問題を解決できるかを考えたりしているときが楽しいです。
未来:「創」というお名前の通り、自分で考えて何かを新しく創り出すことが好きなんですね。今はどんなものを作っているんですか?
現在はネットショップで、大好きな妖怪をモチーフにしたオリジナルグッズをメインに販売しています。
未来:昨年は、疫病退散の力を持つとされる妖怪「アマビエ」を描いたキーホルダーを販売し、その売上げで購入したマスクを地元の医師会や保健所に寄付されたと伺いました。
その頃、新型コロナウイルスの感染拡大で注目を集めた「アマビエ」のイラストをSNS上に投稿する「アマビエチャレンジ」が話題で、イラストを描いてほしいと頼まれたのがきっかけでした。そのイラストをキーホルダーにして、なかなか会えなくなってしまった祖父母に送ったら、ほかにも欲しいと言ってくれる人がたくさんいたので販売し、収益金の一部でマスクを購入して会津若松市の医師会と保健所に寄付しました。
未来:なぜマスクを寄付しようと思ったのですか?
やはり人の役に立ちたいからです。医療関係者の方々はきっと大変な思いをしているはずなので、少しでもなにか役に立てればと思いマスクを寄付しました。
未来:創くんの活動の根幹には、「人の役に立ちたい」という思いが強くあるんですね。素晴らしいです! ほかにこれから作ってみたいものはありますか?
オリジナルのボードゲームを作ってみたいです。弟がオセロや麻雀などボードゲームが大好きなので、家族みんなで遊べるゲームを作ってあげたいです。