今回取材したのは、12歳で起業し、株式会社クリスタルロード取締役社長の加藤路瑛(かとう じえい)くんです。代表権がとれない年齢のため、親が代表取締役、子どもが取締役社長になる「親子起業」で会社を立ち上げ、新たな起業スタイルを確立。「今やりたいと思ったことは今やりたい!」と、挑戦し続けるチャレンジ精神の秘密に迫りました。
「社長」ってかっこいい!
未来:弱冠12歳にして起業されたとのことですが、そもそもなぜ起業しようと思ったんでしょうか? きっかけを教えてください。
僕は幼稚園生くらいの頃からずっと「働きたい」という願望があったんです。身近な大人が働いている姿を見て、単純にかっこいいなと憧れていたんですよね。でも「働きたい!」という思いを大人に伝えても、「大人になってからね」と返されるばかりで、なぜ子どもが働けないのかずっと疑問でした。
そんな思いを抱えたまま幼少期を過ごし、中学1年生の頃に起業のきっかけとなった出来事があったんです。当時、理科が好きだったこともあり、自分で薬品などを使った実験ができるように「毒物劇物取扱責任者」の資格を取ろうと考えていました。そのときに母が買ってきてくれたのが「ケミストリークエスト」というカードゲーム。
遊びながら元素記号や化学式などが学べるカードゲームで、基礎知識がない状態で資格の勉強をしていた僕を見て、「まずは基礎から勉強したら?」と買ってきてくれたんです。でもこれを見て僕が惹きつけられたのは、ゲームそのものではなくこの帯でした(笑)
「小学生で起業」「高校生社長」というワードを見て、衝撃を受けました。これまでずっと働けるのは大人になってからと言われてきたけど、「世の中には小学生でも働いている人がいるじゃないか! 子どもでも社長になれるんだ! 僕もなりたい!」と。
未来:幼稚園児の頃から思っていた「働きたい」という想いは変わっていなかったんですね。当時、路瑛さんの中で「働くこと」というのはどのようなイメージだったんでしょうか? 働くってどんなことだと思っていましたか?
働くのがどんなことというよりも、ただ単純にその姿に憧れていたんです。通勤姿だったり、パソコンを打っていたりするのがかっこいいと思っていました。さらにこの帯を見たときに「社長」への憧れもできました。
未来:やっぱりかっこいいから? 社長ってどんなイメージでした?
校長先生みたいな…かっこいい革椅子に座ってドシっと構えているような…。
未来:なるほど! 中学生らしいわかりやすい社長像ですね(笑)。シンプルに「かっこいい」という憧れの気持ちが動機となって、実際に路瑛さんを突き動かしたと思うとすごいです。