図鑑は専門的な情報や知識が豊富で、子供の好奇心を引き出すきっかけになりますよね! とはいえ、種類もたくさんあって、選ぶのに困ることも。そこで、「図鑑博士」として有名な斎木健一さんに、人気ジャンルの「おすすめ図鑑」を教えてもらいました。
今回は「危険生物」に関するおすすめの図鑑5冊を紹介します。子供向けだけでなく、危険生物と遭遇した際に役立つ保護者向けの図鑑もピックアップしています。
【おすすめ1】はっけんずかんプラス あぶない 生き物
「『この窓を開けるとどうなるのかなー』と子供の興味を引いて、パッとページを開くとビックリするような仕掛け窓がある図鑑です。窓が開くと、危険動物が襲ってきたり、有毒生物がひそんでいたりと、子供が楽しめる作りになっています」
「全36ページと絵本と同じくらいのページ数です。本の内容も穏やかで、3歳くらいから小学校低学年まで楽しめます」
<ポイント>
ドキドキワクワクを感じる仕掛けは、危険生物ととても相性が良いです。ライオンやシャチのような大きな動物から、スズメバチやムカデなどの身近な生き物まで、国内外の危険な生き物の生態をイラストで紹介しています。
【おすすめ2】危険生物最恐図鑑
「哺乳類や魚類、鳥類、昆虫など、地球に生息するあらゆる『危険な生物』を100体以上集めた図鑑です。生物はイラストと写真で大きく紹介されているほか、生息地や危険度グラフなどのデータもあります。実用書というよりは、子供の興味に沿った内容です」
「王道の危険生物のほか、『見た目はかわいいけど本当は危険な動物たち』などの特集ページもあります。親子で読むよりも、子供が1人で読むことに適している図鑑です。小学校低学年から高学年まで楽しめます」
<ポイント>
トレーディングカードのように、攻撃力や武器となる特性などが5段階の数字で表されています。『対戦させたらどっちが強いの?』といった子供の疑問や想像をかき立ててくれます。
【おすすめ3】小学館の図鑑NEO 危険生物DVDつき
「日本と海外の危険生物が約750種類掲載されています。ページ構成が、陸と海にわかれていて見やすいです。『毒で刺す』、『毒で咬む』、『大怪我をする』など、人間に対してどのような危険があるかについての紹介もあり、最初は『怖い!』と思うかもしれません。ですが、次第に好奇心が湧いてきて、次々とページを進めていける内容です」
「また、付属の『ドラえもん・のび太のびっくり危険生物DVD』は、子供に人気です。DVDでは、危険生物がどんな場所にいて、どの時期に危険なのか、クイズ形式で楽しく学べます。収録時間が60分もあり、見応え十分です」
<ポイント>
危険生物の図鑑を買うとき、子供は猛獣や大蛇などの強さが知りたいもの。一方、大人は身近な危険生物の見分け方や応急手当、治療法を知ってもらいたいと思います。この図鑑では、この2点がバランス良く取り上げられています。親子で一緒に見るなら3歳からですが、大人が読んでも勉強になる図鑑です。
【おすすめ4】講談社の動く図鑑 MOVE 危険生物
「動物や魚の図鑑などを持っている子供が、『もっと珍しい生き物が知りたい』『ビックリする写真やイラストが見たい』と言ったときにおすすめなのが、この図鑑です」
「大きな口を開けたサメやカバの写真をはじめ、『ライオンvsトラ』『オリノコワニvsアナコンダ』など、最強生物のバトルが見開きのイラストで紹介されていて、迫力満点の図鑑です。子供の好奇心を刺激する1冊です」
「付属のDVD映像も迫力満点ですが、本当に残酷なシーンはカットされているので、子供にも安心して見せることができます」
【おすすめ5】危険生物ファーストエイドハンドブック 陸編
「最後は、『子供のために保護者が読む』図鑑です。たとえば、『毒牙を持つケムシに触ってしまったときに粘着テープで毒針を剥がす方法』など、いざというときに役立つ最新知識が満載の図鑑です」
<ポイント>
毎年被害がニュースになるスズメバチ類や、公園などにもいるチャドクガなどのドクガ類、触るとひどくかぶれるウルシの仲間、そして毒ヘビやクマなど、陸上で出会う可能性の高い危険動植物を約120種類も紹介しています。
「危険に対応できる力を育てることは、何よりも大切な教育と言えます。大人向けの本ですが、載っている写真や絵を説明して子供の危機対応能力を養うこともできます」
<ポイント>
この本では、予防についても種類ごとに説明されています。以前に、防虫会社の担当者と話した際に、『私たちは万全の予防をしているので、刺されたりすることはほとんどありません。大切なのは予防です』というほど予防は大事とのこと。それも含めて、この図鑑は自信を持っておすすめします。
「危険生物の図鑑は、恐竜や昆虫に次ぐ人気の図鑑です。見た目の迫力に視線が釘付けになり、『1番力が強い動物は?』、『猛毒の生きものはどれ?』と次々知りたいことが出てきます。また、生活の中で危険な生物がどれかと知っておくだけでも良いかと思います」
「逆に、親は危険生物について知っておく必要があります。アウトドアでの活動には常に危険が伴います。予防や危険に遭遇したときにどう対処するべきかを心得ておくことがとても大切です。保護者が正しい知識を持つためにも、ぜひ読んでいただきたいジャンルです」
危険生物ならではの図鑑の楽しみ方や、親が把握しておくべき知識がたくさんありそうですね。家庭にあると、子供にとっては好奇心の刺激に、親にとっては安心になる1冊といえそうですね。
次回は「草花」の図鑑をご紹介予定です。お楽しみに!
お話を聞いたのは…
千葉県立中央博物館・生態学・環境研究科長 斎木 健一さん
1962年、神奈川県生まれ。理学博士。幼い頃は、どのクラスにもいる「昆虫博士」。大学では化石、職場では植物、男の子3人の育児を通して魚を飼い、野鳥を眺めるなど、次第に守備範囲を拡大。専門分野は古植物学・植物学・理科教育。千葉県いすみ市の植物調査で新種のイスミスズカケを発表したり、「なぜ図鑑で植物の名前を調べるのが難しいのか」についての研究結果を学術雑誌で発表するなどの研究成果を残す。2014年に『図鑑大好き!』出版、2015年には職場での図鑑企画展担当をきっかけに、人気番組『マツコの知らない世界』に出演。
野草雑草検索図鑑
樹木検索図鑑
ライター紹介
宮平 なつき
フリーライター。美容、健康、ダイエット、恋愛、結婚、子育て、教育、インテリアなど、“女性のライフスタイル”にまつわる記事や著名人のインタビュー記事を主に執筆。趣味は、スポーツ観戦と旅行。最近の最も気になることは、甥と姪の成長。
※2019年9月にいこーよで公開された記事の再掲です。
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