(お母様)現場では本当によく監督さんと話をして、都度相談しながら撮影していましたね。一方で、演技の材料となるものをいろいろ見せたりはしていました。家で台本を読みながら歴史的背景を説明したり、今とは時代背景が違うので本やネットで調べたりしながら理解を深めていました。
父親が映画やドラマなど映像作品のマニアということもあり、自宅にたくさん作品があるので、参考になりそうなシーンがあればそれを見たりして、演技の引き出しを増やしていました。
未来:なるほど、ご両親のサポートもあって優仁くんの演技の幅が広がっているんですね。撮影中に「ここは難しかった!」「これは大変だった!」と思ったのはどんなことですか?
台本をもらってから撮影までの間に、登場人物の関係性を整理するのが大変でした。登場人物が多いので、現場に入って共演者さんを目の前にしてからの方が具体的にイメージできてやりやすかったです。 あと、今回は3つの年齢(栄一が5歳、6歳、9歳のとき)を演じたので、年齢にあわせて演技に変化をつけることもすごく意識しました。
未来:年齢にあわせて演じ分けていたということですね。難しそう! 具体的にはどのようなことを意識していたのですか?
言葉遣いのほか、声の高さや表情も変えていました。年齢を重ねるうちに栄一のキャラクターや立場も変わっていくので、それに合わせた雰囲気を出せるように工夫していました。
未来:そこまで想像して演じるってすごく想像力がいりますよね、すごい!
難しくはないです。だって僕は栄一だから。
(お母様)彼がここまで自信を持てるのは、これまでに人生で得た情報がすべて彼の言動の糧となっているからだと思います。子育てをする中で、なにか情報を与えるときは必ずその背景や歴史的な繋がりまで説明するように心がけているんです。
未来:と言いますと?
(お母様)たとえばTVや映画、YouTubeなどの映像作品を見るときも、その背景に何があって、どんな繋がりがあってこの作品ができているのかを必ず話すようにしています。そうじゃないとただ情報が入っていくだけで終わってしまうので。絵や音楽といった芸術作品にしても、何か情報を与える前には、その前に何があったのか、その周りに何があるのかということを必ず説明するようにしています。そうすることで、一つ一つの情報が彼の材料になるように。
未来:なるほど。物事の背景や理由などから理解を深め、さまざまな情報を吸収しているからこそ、その情報が優仁くんの中で点となり蓄積されているんでしょうね。そしてたくさんの点と点が繋がることでそれが線となり、今の優仁くんの姿があるのだと感じました。