【インタビュー】諦めない気持ちと親子の絆が起こした「奇跡」-後編-

未来:灯里さんはどうしてそんなに強いのでしょうか。

毎日すさまじい発作と闘いながら自由に動けない生活をずっと送っている灯里は、ほとんどのことを自分の意思で出来る私たちとは精神の密度が違う気がします。発作には意識がある発作と意識がなくなる発作の2種類があって、「意識がなくなる発作のときは、このまま目が覚めないんじゃないかとすごく怖い」と綴ったことがありました。

そんな発作と毎日毎日闘っていて、普通なら絶望してしまうような生活の中でも、灯里は「いつかこの世界から連れ出してくれる人が現れる」とずっと希望を持ち続けていました

それは、私と主人がずっと「あなたがわかっていることをわかっている」と常に伝え続けてきたからだと思います。充分ではないかもしれないけど「わかってくれている人がいる」「わかろうとしてくれる人がいる」ということに幸せを感じてくれていたんだと思います

灯里さんが教えてくれたこと

未来:メッセージの中にもありますが、毎年灯里さんのお誕生日におめでとうと一緒に「ありがとう」という言葉を伝えられていますね。この「ありがとう」には、どんな感謝の気持ちが込められているのでしょうか。

私は灯里を産むまで、自分のことだけが一番大事な人間でした。主人と結婚して大切なものが一つ増えましたが、漫画家という好きな仕事をしながら好きな人と一緒にいられるだけでよかった。そこに灯里がやってきて、想像していた子育てとは全く違う生活が始まりました。そこで自分の価値観がひっくり返ったんです

予定ではすぐに仕事復帰して漫画を描きながら育てようと思っていましたが、生後2カ月から入院して、生きるか死ぬかの毎日です。生後半年で重度の希少難病だということがわかり、絶望と地獄のような日々でした

自分のことであれば何でもできます、死ぬ気でやればできないことはないと思っていました。それなのに、痙攣発作で苦しんでいる目の前の我が子の身代わりになることもできない。何もできず、ただ見守ることしかできない無力さとやり切れなさは本当に地獄でしたね。

やっと主人と仕事以外にこんなに大切なものができたというのに…。育てられるかどうかとかじゃないんです、生きるか死ぬかなんですよね。肺炎を起こしたりインフルエンザにかかって死にかけたり、「もうダメかもしれない、死んでしまうかもしれない」という状況を幾度も繰り返してきました。

毎日生死を意識しながら子どもを育てている親は、おそらく少数派だと思います。すごくハードな人生ですが、命の重さやその命が成長するすごさを、灯里が身体をはって教えてくれたんです。自分中心だった私に、そんな人生をくれたことへの「ありがとう」です

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